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ダーク・ファンタジー小説
- Re: ゴーストトレイス ( No.14 )
- 日時: 2019/11/14 19:20
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
「凄いね、これならあっという間に悪い子は消えるよ」
セーラー服を着た少女はスマホの画面を見て微笑む。ネット上ではかなりナマハゲの
存在が広がっている。嬉しそうに眺める少女の顔が少し歪む。都市伝説、幽霊を手懐ける
警察という題名が付けられている。
『幽霊を見つけて退治する警察がいるらしいよ』
『いや幽霊なんていないだろ』『だよねぇwww』『こんなのでっち上げだろ(笑)』
「本当にそんな人たちがいるのかな?ねぇどう思う?」
少女の目線の先には大きな包丁のような刀を持ったナマハゲがいた。彼は再び悪童を
狩る。彼らが動き出した頃、同時にエトたちも動いていた。
「煙草吸いながら適当に歩いてろって…一体どういう風の吹き回しだ」
バンダナをつけた少年、否、男は言われた通りに道を進む。エトの後輩の一人、
影井リュウだ。彼の式神は小さな黒いトカゲ「ハリム」だ。ハリムを通して
リュウは影を操ることが出来る。
『でもきっと何かあるんだよ。リュウも知ってるでしょ?』
上着の内側からひょっこり顔を出した。エトが言うに一般人に見えるようにハリムは
隠すらしい。そして本命は案外早く来た。隠れて見守っていたエトたちの眼にも見えた。
写真にあったナマハゲだ。
「未成年の喫煙か…」
「あぁ!?誰が子どもだよ!!俺は列記とした男だっての!!」
「え?でも…その身なりで言われても…」
ナマハゲの後ろから顔を出す少女が困惑する。青筋を浮かべるリュウにハリムは小声で
『リュウ、抑えて!抑えて!』と呟くがそれは出来なかった。
「よぉし、テメェら歯ァ食いしばれよ?」
「お前…噂の幽霊警察か」
「随分と有名なんだな…まぁ事情はじっくり聴かせてもらうぜ」
リュウが影を右腕に纏って殴り掛かる。同時に全員が動いた。
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