ダーク・ファンタジー小説

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.3 )
日時: 2019/10/19 22:14
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「成程…異世界人か。2度目でも驚いてしまうな」

クロムが背もたれに体重をかける。彼はスッと柔らかい笑みを浮かべていた。その笑みは
フォルトゥナとの会話の楽しさからか、それとも裏にはノート・ルクスではなかったという
気持ちを隠しているのか。

「…その容姿は、ここに来てからか?」
「?そうだけど…どうしたの?」

クロムはフォルトゥナを見つめ、ノートと姿を重ねる。フォルトゥナは女、ノートは男、
それなりに違うところはあるが髪型、目元はほとんど似ている。

「いいや…気にしないでくれ。ッ!」

クロムはテーブルに手を置き腰を上げる。驚き慌てたフォルトゥナも立ち上がり彼が
見つめている方向を見た。最近、魔力を感知することが出来るようになった。数は
数人だ。真ん中に立つ赤い羽織を纏う女性がフォルトゥナの前に立った。彼女は二本の
角がある。

「アンタがフォルトゥナ・ルクスって奴かい?私は紅華、よろしく頼むよ」

紅華はフォルトゥナと握手する。「さて…」と紅華は話を変える。

「少し、腕試しでもしないかい?アイツと同じ名前を持ってるんだ、アイツと同じ人数で
やってもらうけど…こっちは2、そっちはアンタ1人ってね」

フォルトゥナの表情が引き攣る。それを流し紅華は剣士たちの方を見て誰が行くか
聞いている。フォルトゥナはクロムの方を向く。彼は困り顔をするが「大丈夫」と
断言する。

「貴方はノートから全ての知識を授かっているんだろう?ならそう難しく考える必要は
無い。その魔術は既に貴女の手足だ」
「さぁ、こっちは準備できたよ。アンタは出来たのかい?…良い目をしているね。仮面男が
蘇芳、マスクをしてるのが夢っていうんだよ。アンタ、アイツと似たような術を使いそうだし
…じゃあ始めようか」