ダーク・ファンタジー小説
- Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.12 )
- 日時: 2019/10/30 19:51
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
竜人族でたった一つ人間によって消された名も無き部族が存在する。それに該当するのが
この男ガルガともう一人、彼の甥っ子に当たる人物。種族説明はおまけのようなもの。
その翌日からその男はこの町で暮らすようになった。何でも
「本当にお前さんがノートと同じ名を継ぐに相応しいか見極めてやる!」
だそうです。ノート・ルクスの築いたこの場所の新たな一歩。そして裏でも一歩進む
集団がいた。
「失敗ですカ?珍しいですネぇ貴方がミスを、しかも見誤るとは毒サソリさん?」
ルネアに猛毒を盛ったサソリの獣人ギランは仮面の男を見た。優し気な男を装う残忍な男、
トランプマンなどと名乗っているが唯の狂人である。
「笑いに来たのか。そんなことをするなら帰れ。俺はお前と一回の契約をした」
「そうでしたネ。さぁ料金はこれでス」
トランプマンは袋をギランに手渡した。ギランはそれを受け取り肩に担いだまま軽々
木の上に飛び乗る。去り際に彼はトランプマンに忠告した。
「人間の女は案外男よりも恐ろしいようだ」
ギランは仕事でルネアに毒を盛った。仮面隠密教団マスカレードと敵対してしまったのは
元を辿ればトランプマンのせいである。そして彼は諦めることも無く次の手を考え始めていた。
否、もう手は回していた。トランプマンは残酷な笑みを浮かべていた。トランプマンから
離れた場所でたった一人の男が死んだ。そこには赤い蝶が飛んでいる。
クロムに言われてようやく気付いたがここはとりあえず国として扱われているらしい。
この国の名を混合国家「アルコバレーノ」その同盟相手はアルコバレーノより圧倒的に
大きな力を持つ国「セラス帝国」である。今日、セラス帝国の王オルギンがここにやってきた。
「へぇ、お前がノート・ルクスの後継者か。だが随分と小さき王だな。威厳というものが
感じられないようだが…何か言いたそうだな」
クロムは相手を睨む。だが頭を下げ謝罪する。
「申し訳ございません。ですがオルギン殿、新たな王を貶す言葉は控えて頂きたい。
確かに王とは思えないでしょう。ですが我々にとってはたった一人の大切な王、彼女を
貶されるのは好ましくない」
「悪かったなガーゴイル。以後気を付けるとするよ、お前たちを敵に回したくは無いからな。
さて簡単に自己紹介をしよう。私はオルギン、よろしく頼むよ」
「フォルトゥナ・ルクスです、よろしくお願いします」
