ダーク・ファンタジー小説

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.10 )
日時: 2019/11/09 18:22
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代漆節
「少年少女前を向け」



「死ぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇ!」
私は何やら物騒な事を叫びながら走って来た目の前の少女から踵落としを繰り出される、ビュゴッ!と強烈な音を撒き散らしながら脳天に落とされる鉄槌をすんでのところで止める。
「なっ!」
「またそれかい?いい加減に君は不意打ちじゃ私を殺せない事を悩んだ方がいい、君も勝てない相手に挑み続けるのは苦だろう?」
私…一ノ瀬 燈矢は彼女の脚を掴みながらじゃっかんドヤ顔で話しかけてやる、滅茶苦茶ウザいとかおもわれてるんだろうなぁ…
「あ、それとね」
冴ッ!と彼女の背中に衝撃が入れる
「上官は無闇に蹴るもんじゃない、これを覚えておきなさい。」
「カッ…ハッ…」
簡単に言えば背中に膝蹴りを食くれてやった、彼女は鈍い痛みと共に床へ崩れ落ちる。
「相変わらず容赦ねぇなアンタは」
「おや、佐之助くんもやるかい?」
「遠慮しとくよ、まず俺じゃアンタに勝てない事くらい分かる。」
はぁ…、実力を弁えられるのに彼女は懲りずに何度もかかって来るのだろう、合理性に欠ける行為は嫌いじゃなかったのかな?
「私はもう行こう、これから部隊間での会議があるからね」
「なんだ、あいつの事はもういいのか?」
「別にその内起きてまた突っかかって来るよ、心配ないさ」
「そうかよ、気をつけてな」
私は彼…灰崎 佐之助くんに一言告げてこの場を後にする、正直会議後に突っかかって来られると面倒くさいんだよなぁ…、とか思いながら後にする



「はて、何故私の部隊は彼女といい彼といい問題児が押し付けられるんだろうか」
「俺達一ノ瀬小隊が一番それに適してるからでしょう、彼女も…まぁ、問題児と言えば問題児か…」
私の隊の副隊長である鹿島 新くんが苦笑いと共に説明じみた事を言ってくれる、彼とは長い付き合いだから上からもの言う事しか脳のない無能な上官共に比べたら相当信用出来る。
「ちょっと新ァ!その問題児って私の事!?」
「新人達とお前以外に誰がいる」
「良い度胸してるじゃない!」
「おっと?先輩に対しての口の利き方がなってないみたいだな、躾けてやろうか?」
「やってみなさいな優男」
「まぁまぁ二人共、そろそろ会議室着くよ」
私はそうやって一色即発だった二人をなだめながら会議室に入る、ここには私達一ノ瀬小隊以外にも二伊、三島、四堂、五河、そして我々White/Fangを収める『東家』の面々が揃っている、私は特に何も考えず扉を開く。
「失礼します」
「遅いぞ一ノ瀬!一分一秒の遅れが皆に迷惑を掛けると何度言えば分かる!」
入室早々物凄い剣幕で迫って来たのは三島小隊隊長、三島 朝霞。かなり几帳面で一分一秒の遅れも許さない鬼隊長だ、しかも見た目は二十代に見えるだろうが彼女はなんと40代なのである、化粧とかそんなチャチなものではない、本当の摩訶不思議だ。
「まぁまぁ三島、どうせあの新入りの相手してたんだろうぜ」
フォローを入れてくれたのは二伊小隊隊長の二伊 冷次、私と二伊は訓練生時代からの仲でそれなりに関係は良好…だと思う。
「だが俺達は五つの首都を守る番人だ、30秒ならまだしも五分は致命的な遅刻やも知れん」
三島の意見に賛同しながらも二伊の意見にも賛同する彼は四堂小隊隊長である四堂 叡山、頭脳担当として活動する事が多く、隠密任務を主に請け負っている。
「………」
そしてこの少女は五河小隊隊長でありながらWhite/Fangの隊長の中で最年少の五河 日鞠、無口で基本的に…というか全くと言っても差し支えない程に喋らない。
「お前ら御託は後にしろ、まずは会議が優先事項だ」
一括し私達を黙らせたのは東家の現当主…東 総二郎、White/Fang総司令官を務める男で一代を持ってこの天津巫國を強国にした英傑でもある。
「して、今回の議題だが…」
「会議っつっても何を話すんだ?まさか三島の年齢に反して若過ぎる外見の裏が遂に!?」
「お前マジで殺すぞ?」
「まぁ落ち着け二人共…そんで一ノ瀬、お前は前々から式神…まぁレギオンにかんして色々危険視してたよな?その事についてか?」
四堂が本題の本質を聞いてくる、大体当たってるのが余計怖い
「まぁ厳密に言えばね、四堂の言う通り私はレギオンに関する新たな情報を知りました」
「ほう、例えば?」
「はい、レギオンは一個体ごとに一つの性格があります」
「性格か…と言ってもレギオンの性格が私達と何の関係がある?」
「ところが三島、結構あるんだよ関係は」
「成る程な…レギオンの性格が凶暴で扱い難い奴程強力なパワーを発揮し、逆に性格に難が無く扱い易い奴程思った戦術が取れる分面倒になる…って事か」
「そう言う事、てか良く分かったね」
本当に何で四堂は本質が分かるんだろう、本当に怖いわ
「性格にクセがあるもの程強力な分暴走のリスクが高いと言うことか…」
「まぁそういう事です、私達一ノ瀬小隊に問題児が多い理由も知りたいですし、天童司令」
「何だ?」
「後でよろしいでしょうか」
「……構わん、議会は終わりだ、解散!」
「隊長、俺達は…」
「いや、君達も戻っていいよ。これからは私達の話だからね」
「…分かりました、失礼します」






「良かったのか?」
「えぇ、彼等に…新入り達に関しての話ですので、隊長である私と司令だけの方が話し易いでしょうから」
私は聞く、何故私の隊に彼等が配属されたのか、彼等は何故、レギオンの適正があったのかを、何故…『レイヴン』が今になって活性化したのかを…












「ふぅ…」
「あっ、帰って来た!」
「隊長、お疲れ様です」
「うっす」
「アタシと勝負しろぉぉぉぉぉ!」
「まったく…良いだろう、全力で来なさい!」
私は皆と…この部隊で過ごせれば、何が起ころうが関係なく過ごせる気がする、一ノ瀬小隊の皆なら…!











次回White/Fang代捌節
「眩む炎天下に希望論だって」
壁外遠征編、始まる