ダーク・ファンタジー小説

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.11 )
日時: 2019/11/09 20:41
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代捌節
「眩む炎天下に希望論だって」




「はいみんな注目ー」
私は一ノ瀬小隊の皆にこちらを見るように促す、公開の任務内容を伝える為だ。
「今回の任務内容なんだけど、壁外遠征に行く事になった。」
「壁外…遠征…?」
佐之助くんが頭を傾げる、まぁ元々壁外出身の彼からすれば何故ゆえ壁内の人間が、わざわざ壁の外へ出る必要があるのかとでも言いたいのだろう。
「佐之、俺達が壁外遠征に行く理由は壁外にも横浜の様な人間のいる集落を探す為でもある、それに新たな生息域を拡大する為にもな。」
「成る程、それで?」
鹿島くんが説明してくれる、彼は本当に頼りになるね
「えっと…、壁外遠征に行くのは私達一ノ瀬小隊だけなのでしょうか?」
「いいや、今回は隠密行動のスペシャリスト、四堂小隊の皆さんにも協力してもらう。」
「俺達四堂小隊は、主に隠密任務が主だしお前ら一ノ瀬小隊より経験とノウハウがある、おそらく室内への侵入も想定されるから分からない事があったら聞いてくれ」
「言っても分かるかどうかだけどね〜」
「少し黙っていろ、啓示」
四堂小隊の隊長…叡山が隊員に睨みを効かせ黙らせる、彼…強面だから睨むと怖いんだよね
「アタシはどうでも良い、何があっても合理的に対処するだけだし」
「心強いな、一ノ瀬の新人、お前はレギオンの使用許可は降りているのか?」
「まだ」
「おい一ノ瀬、お前まだ許可してやらなかったのか…?」
だってほぼ忘れてたんだもん、レギオンなんて与えたら何しでかすか分かったもんじゃないんだもん、この子なら尚更だもん
「まぁ…うん、とりあえず簡単な操作を教えて本格的な戦闘は実戦で、あと専用装備も渡しておくから」
「分かった」
本当にこの子は変わったな…、あの日以来この子は本当に人が変わってしまったかの様だ。
「よし、そろそろ解散でいいかな?」
「必要最低限の事は言ったから良いだろ」
「よし、それじゃあ解散!」
私の声をきっかけに四堂、一ノ瀬小隊のメンバーは解散してそれぞれの隊と交流を始める、親睦を深めるのは大事だよね
「一ノ瀬、ちょっと話がある。少しだけ良いか?」
「うん?別に構わないけど…」
「そうか、助かる」
四堂から話掛けてくるなんて珍しいな…と思いながら私と四堂は小会議室を後にする、用心深い四堂の事だから隊長同士での入念な作戦会議かと思ったが、話題は予想外のものだった。
「で、話って?」
「俺が気になったのはお前の所の新入り二人が何故レギオンに適性があったのかって話だ」
なんと、話題は彼にしては珍しく他の隊の隊員の事に関してだった、基本彼は自分の隊の隊員の話はしないし他の隊の隊員に興味を示すそぶりも見せなかったから本当にめずらしいよ。
「さぁ、それに関しては私も知らなくてね」
「そうか…いや、何故適性があったとか詮索するものではないな」
「悪いね、力になれなくて…」
「なに問題ない、寧ろらしくない事をした俺を怪しんだりするか?」
うん、確かに怪しい、怪し過ぎて一周回って怪しくない位に怪しい。
「時に一ノ瀬」
「うん?」
「良い焼肉屋を見つけたんだ、今夜…一緒にどうだ?」
「…喜んでお供するよ」
この後めちゃくちゃ焼肉した












「さて、今回は初めて導入された壁外遠征だ!我々一ノ瀬、四堂混合大隊が著しい戦果を手にし、他部隊の、White/Fangの士気をより一層向上させるぞ!」
「「「うおおおおおおおおおおお!」」」
四堂の一喝と共に声援が上がる、ホント彼はこういうの上手いから凄いよね
「さて、では俺と同様に今作戦の指揮官を一任されている一ノ瀬小隊隊長、一ノ瀬 燈矢殿からも激励を貰え!」
マジかよ私に振るか、めっちゃキラキラした目で見てくんじゃん、めっちゃ言う事に期待してんじゃん
「あ〜ゴホン、我々が成すべき事は三つだ、一つ、我々はどの様な困難が訪れようが決して怯えるな、國の命は我々に掛かっていると思え。二つ、先程四堂 叡山殿も言っていた様に我々は多大なる戦果を持ち帰り、今後の発展に貢献する義務がある。そして三つ、我々は失敗して帰るのでも生きて帰るのでもない、我々は、勝って帰るのだ!この事を肝に命じておけ!」
我ながら上手い事言えたと思う、さてみんなの反応は…
「……………」
めっちゃ静かじゃん、やっぱ回りくどかったか…!?
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」
…と思っていたのだが声援がさっきより凄くなった、よし、士気は高い状態だ。
「開門開始!進めェェェェェェェ!」
特殊装甲車両が前進する、今回は初めてと言うのもあって検証段階だ、拠点を置いて一週間遠征する。補給班20人、衛生班10人、防衛班15人、…そして私達殲滅班10人の計55人は壁外を目指す、我々を喰らう捕食者がいる事も知らずに…












次回White/Fang代玖節
「君死ニタモウ事ナカレ」
壁外遠征編と言う名の隊長メイン回