ダーク・ファンタジー小説

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.21 )
日時: 2019/11/13 18:46
名前: 祝福の仮面屋 (ID: kNmNzfjC)

White/Fang最終節
「めくるめくのEveryDay」






〜天津巫國
首都・東楼〜
今、私はWhite/Fangの食堂にいる。体は大丈夫なのか?本当はもう少しリハビリしておきたいんだが、状況が状況故にそうゆっくりとしてはいられない、医師が言うにはおよそ一週間は眠っていたらしく、その間は点滴をしなくても大丈夫だったらしい。
どうやらレギオンの治癒力を得る…即ち少し同化する事で、運動以外で体に溜め込んだ栄養を吸収せずに残す事が出来る様になった、我ながら化け物だと思うがレギオンのパートナーになった時点で人間ではないのかも知れない。
大会議室では、東楼を含めた五つの首都の首脳会談が行われている、世界戦争が起ころうとしている今、今後の天津の在り方を考えているらしく、私達一ノ瀬小隊の隊長も参加しているし他の隊の隊長も参加しているだろう、他部隊の隊長はアクが強いからウチの隊長が胃を痛めていないと良いのだが…。
当然一般市民にこの事は明らかにされていないから発覚後にどんな報道が起こるか解ったものではない。



拝啓お爺ちゃん
私は今、お爺ちゃんの思惑通りに忍として國の為に働いています、私や佐之、そして諸外国の子供達の名前が記載された名簿の真相は分かっていないし、父ともまだ会えていません。
お母さん、お爺ちゃん、どうか私達を見守ってください。
敬具














〜北方連合
首都・Гангут(ガングート)〜
私は、今佐之君と一緒に自室にいる。彼はまだ寝ているがレギオンの能力により体を効率的に改造されているのだろう、彼は私の理解者で、必ず私の元へ来る。
私は彼が好きだ、私を助けてくれたのもあるが彼は私の事を邪険にしなかった、この基地の中の人達は殆どが男で数少ない私達女は虐げられていたから、彼に助けて貰ったのは私にとって大きな革命だったのかも知れない。私の歌が殺すのは私を憎んだ、私に怒りを宿した人間だけだから昏睡するだけだった彼は私に憎しみや怒りを感じなかったのだろうか、その真実は分からないし聞いたら何を言われるか分からないから良いや。
所長秘書がちょっと囃し立てるけど私は出て行かない、私は今とてつもなく眠いからだ。私はもっと睡眠を貪り尽くしたい、空気を読めない奴は死ねば良い♪
Сожги ceбя пламенем копья♪
(竃の炎でその身を焦がせ)
Давай начнем один? два? тpи!♪
(さぁ始めよう、1?,2?,3!♪)

すると扉の向こうで所長秘書が焼ける音と彼女の悲鳴が聞こえる、この声だ…この恐怖と絶望に塗れた声だけが私を潤してくれる♪
私は眠り続ける、だから今の私は可愛い可愛い
Cпящая пpинцеcca♪(眠り姫)












〜ユニオン
首都・Enterprise(エンタープライズ)〜
研究は順調だ、Graham・Tyler…面白い事に彼は体の強度が人間のそれではなかった、まるで人でない存在として生まれるのが前提だった様に、そして何より興味深い点として彼は翼の様な器官を出す事が出来るのだ。だが最初はこの器官の操作に慣れていなかった為か私の部下が5人死んだ、まぁ我が国の大義の為なら微々たる犠牲だろう、何の苦にもなるまい。
Professor.Aaron!と私の助手が私の名を読んだ、私はここではprof.Aで通っているのだが…まぁ良いか、この興味深い実験体…彼は我々の間ではこう呼ばれている。
The,Hero(英雄)と
そう呼ばれている彼だが、私の目には悪魔にしか見えなかった。










〜ブリタニア
首都・Warspite(ウォースパイト)〜
元気に外で遊んでいる少年…Jack・Thomasは私達ブリタニア最後の切り札だ、かつては強国と謳われたブリタニアも近年では諸外国に遅れを取っている、天津で使われているレギオンの技術を…一刻も早く我々も導入しなければならない。
私はもう一度Jackを見ると彼は手を振って来た、本当に人懐っこいなと思いながら見ているとQueen・Micheraと呼ばれた、私の護衛の男だ。
私の名はMichera・Euclid、ブリタニアを守護する騎士団の女王也。













〜セントブリーズ
首都・Richerieu(リシュリュー)〜
俺は誰か?勿論、CAD…通称魔獣狩りの科学班長を務めるAbel・Blancだ、俺は天津巫國の技術提供によりレギオンとの融合実験を再開する事にした、あの廃墟…Thunder・Voltにいた個体Chloe4型(クロエヽ)の回収と解析及び処分は完了した。
俺はシリンダー型液体槽の中の少女を見る、Chloe・Alain、それが彼女の名だ。
彼女は生まれつき左腕が無かった、だからレギオンの細胞を利用した義手を提供したのだ、だが当時の技術では未知の存在であるレギオンを制御出来る筈もなく、彼女を宿主とした新たな生物『キメラ』として生まれ変わった。
やはり世の中は刺激と未知との遭遇ばかりだ、何事もMerrily(楽しく)Merrily(愉快に)Merrily(痛快に)で無ければならない。








始まる、世界の命運を分かつ戦いが













White/Fang代壱幕 完結
次回代弐幕代壱節
「どれだけ背丈が変わろうとも」
代壱幕はこれにて終了、今回は台詞一切なしの回想回とさせて頂きました。
皆様には楽しんで頂けたでしょうか?コメント等、いつでもお待ちしております。
White/Fangの更新は暫くは致しませんのでご了承下さい、代わりに新作を開始致します。
またいつかお会い致しましょう。
フォッフォッフォッ…