ダーク・ファンタジー小説

Re: 黒蛇殺しの鎮魂歌8ノ赫 ( No.9 )
日時: 2021/02/06 20:33
名前: ひにゃりん (ID: PNMWYXxS)

ーーーメリーーーー

翌朝。しばらく歩いたあと、村にぶち当たった。
「リィアル……村」
そう書かれた石造りの門を前に、わたしとリリカさんは立ち止まる。
「本当に大きい……。ほとんど石やコンクリートで、火事対策もしてある。
まだこんなところがあるなんて……って、リリカさんどこ行くんですか!?」
いつの間にか、村を添うように回り道しようとしていたリリカさんだったが、
わたしが声をかけるとビクッとして立ち止まった。
「なに遠回りしようとしてるんですか!?このまま村を突っ切れば1日も
かかりませんが、周りを歩いていけば3日もかかる可能性もあるんですよ?」
リリカさんは何も言わずに、黙って聞いていて。ちょうど良い。今のうちに
言ってしまおう。
「それにもう9月なんです。わたし達って野宿ですよね。今もう肌寒いのに
冬になったらどうするんです?」
すると、リリカさんは諦めたのか、まっすぐ村の方へと足を進め始めた。
勝った。わたしも、良い気分になってずんずん歩き出す。
けれど、リリカさんが村から出てきた男性と少しぶつかった瞬間。
「ふぁっ」
リリカさんはおかしいレベルで耐性を崩すと、地面に尻餅をついてしまった。
「リリカさん!?」
さすがに、スルーするわけにはいかなくて、わたしはリリカさんに
駆け寄った。