ダーク・ファンタジー小説
- Re: 勇者として召喚されたけど俺YOEEEな件 ( No.18 )
- 日時: 2020/03/22 12:19
- 名前: 自宅の防人 (ID: X1kgwzZ6)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
俺は心の中で盛大にため息を吐き、
さっきからだんまりしている謎の声に向かって喋りかけた
おいこらお前。聖剣だろ
………
この状況で俺が一目散に逃げたら困るから、突然声を出して、呼び止めた
………違うか?
…………
『てへ☆』
よし、さっさと逃げよう。
見渡してる時に分かったが、恐らくこの外套には影を渡ることができる。それも、自分の影の長さだけだが。
さっきもう少し遠くを見たいなぁ、と影の中を泳ぐ?まぁ、泳いでいると、木の陰から他の木の陰に移れたのだ。
というわけで………
少しの間だったが、いい話相手になったな。聖剣さん。
『待って!本当に待って!』
安心しろ、墓ぐらい作ってやる。お前のことは多分忘れないぜ……っ!
『本当に君が持って言ってくれないと困るんだって!お願い!』
いやぁ、助けたいのは山々だが、
そもそも重過ぎて持てないんだよなぁ……
『………へ?あ、あぁ。レベルが足りないのか……』
そういうことだ!じゃあな!
『………』
魔物はもうすぐ近くまで来ている
このままではいずれ俺もバレる可能性があるのでさっさと逃げたいのだが……
『………わかった』
ん?
『本当は、僕を装備できるのは、選ばれた者、もしくは相当な熟練者だけなんだけど
装備するのに可能なレベルを、契約で君のレベルまで下げる!そうすれば、君も僕を装備できる!』
『だから、お願い!』
【契約しますか?YES or NO】
う、うーん。契約ときたか……
ここまで必死に言われると、無視して行くのも気が引ける……
………
あー、分かったよ!
契約してやるから待ってろ!
YESだ!
【聖剣エクスカリバーと契約しました。両者の魔力を統合し、ステータスを開示します】
【聖剣エクスカリバー
攻撃力+400
切れ味 S
魔力適合S
固有能力「光属性強化」】
これが、聖剣のステータス。
攻撃力400ってのは、俺の今の攻撃力からして相当なものなのだろう
俺が素直に聖剣ってちゃんと聖剣してるんだ……。と驚いていると
『え!?レベル1!?いや、それでもステータス低すぎない!?これが今代の勇者!?嘘でしょ!?』
……何だ。喧嘩がしたかったのか。早くそう言ってくれりゃあいいのに
『あぁ!?ごめんごめん!でも、Lv1ってことは伸びしろがあるって事だよ!?……だからさらっと見捨てないでぇ!』
ったく。しゃーない。早く回収して……って
そこには、ゆっくりと、すぐそこまで聖剣に向かって歩いている魔物の姿があった
魔物がもうすでに聖剣の間近まで来てんじゃねーか!
『ぎゃああああ早くうううぅぅぅ!!』
うっせぇ!
魔物が聖剣に手を伸ばし、掴もうとしたとき、
咄嗟にそこらに転がっていた石を掴み、向こう側の草の方に投げて音を立てる
魔物は当然反応し、ピクりと動きを止めて、音が鳴った方向に向けて歩き始めた
『……っひっぐ、んぐ……、ありがどう゛……』
いや、女子みたいに泣いてんじゃねーよ……
剣に性別とかないんだけど。
魔物がどっかに行ったのを確認し、影から手だけを出して掴む
おっも!!
危うく手を離して音を立ててしまいそうになったが何とか掴む
無茶苦茶重い……。だが、この前みたいに地面から動かないぐらいではなく、
両手を全力で使って何とか抱き寄せた
『………』
……な、何だよ。攻撃力5だぞ、舐めんな
『今度、もうちょっと安全な場所教えるから、一緒に戦って鍛えよっか……』
やめろ!悲しくなるだろ!