ダーク・ファンタジー小説

Re: 勇者として召喚されたけど俺YOEEEな件 ( No.5 )
日時: 2020/03/20 20:34
名前: 自宅の防人 (ID: X1kgwzZ6)

少女いわく、その世界「ミオカリア」には遥か昔、人と魔族の大規模な戦争があったとのこと

人は王が、魔族は魔王が統べ、共に争った。数の少ない魔族に対し、圧倒的に数の多い人間が勝つ。
誰もがそう思っていたが、魔族の驚異的な身体能力、魔力を前に徐々に人間は数を減らしていき、
やがて追い詰められたという。
そして、その世界の神様がこのままでは不味いと考え、人類に対して送ったのが勇者ではなく、
「剣豪」「魔道士」「守護者」だったと言う


「つまり……、そもそも神様が勇者という存在自体知らなかったのです。で、最近になって知恵の神からその存在を知り、その世界では勇者という職業は今年初めてできたらしいです」
「なんだそりゃ」
「まず、かなり年配の神様なので、最近の俺TUEEEとか知らないんです。分からない言葉の意味を辞書で引いて調べるような真面目なおじいちゃんなんですがね……」
「はぁ」
「なので、勇者が実際に強い職業かどうかはまだ保障できません。それでもいいですか?」

うーん。一気に不安になってきたが、今更変えたところでだしな。
木刀すら握ったこともない俺が剣豪や騎士になれる姿が全く思い浮かばないし、
なんだかんだでオールラウンダーな勇者のほうがいいだろう

「わかりました」
「本当にいいんですね?」

ここまで来たら勢いに任せてしまえ!
「YES!」
「後で後悔しても私のせいにしないでくださいね!?」

「YES!!」



───よくよく考えなくても、馬鹿な選択をした俺は、この後死ぬほど後悔するのであった



少女は不安そうに見てきたが、俺はもう決心したのだ

「では、次に武器や防具です」