ダーク・ファンタジー小説
- Re: 霊障対策課24時! ( No.1 )
- 日時: 2020/04/18 15:36
- 名前: 枢木 (ID: xs5T8t9X)
霊障対策課、霊障?ふざけたこと言ってんじゃねえって思う人が多いと思うがこれでも
色々仕事は入ってくる。私、柳水流愛瑠はつい最近、前の課長に半ば強制的に課長に命名され
今に至っている。そして今日、夕方に全員が帰宅の準備を始めた。それは帰りに霊障事件が
舞い込んでくるから。昨日の事だ。一般企業に勤める男性から一本の電話が来た。
「はい、もしもし霊障対策課です」
『あ、すいません。実は変な屋台を見つけて…』
「は、はぁ…」
『私、実は霊的なものが見えちゃう体質でして。他にも同僚と帰っていたんですが同僚は
見えないと言ってて…もしかすると、と思って電話したんです』
「分かりました。じゃあその屋台を見た場所を教えてください」
愛瑠はペンを走らせた。ここからすぐ近くで夜しか現れないらしい。さらにその日、遅刻してきた
職員はその公園付近で例の屋台に入り二日酔いで遅れたと言って来たのだ。やはりこれはここの
仕事だと感じた。
「おぉ、ここが例の屋台かぁ…」
圓勺時哉はその屋台を見て呟いた。
「まぁ良い店じゃないか。最近は見たことが無いけどね。ちゃっちゃと入ろう」
そう言って一人、先に屋台に入って行ったのは天草姫香だ。彼女に続いて他の霊障対策課の
職員も入っていく。席に座ると屋台をやっているのは札のようなものが顔に張られた男。
「あーいらっしゃい霊障対策課の人達だろ?いやぁ視える人が数人ここに来てくれてよかった。
ずっとここに居るのもどうかと思ってたからね」
男は札の下で嬉しそうな笑顔を浮かべた。
- Re: 霊障対策課24時! ( No.2 )
- 日時: 2020/04/18 16:04
- 名前: 枢木 (ID: xs5T8t9X)
「ん〜美味い!もう一杯、くれるかい?」
「はいはい」
屋台の男は天草姫香のジョッキに酒を注ぐ。酒にかなり強い彼女はどんどん飲んでいく。
「警察の課長をこんな若い子がやっているのか。老若男女平等だねぇ…名前は?」
男はおつまみを愛瑠の前に置いて名前を聞いた。
「柳水流愛瑠です」
そう名乗ると男は何かを思い出した。
まだ生きていたあの頃は居酒屋を開いていた。警察庁の近くにあるため仕事を終えた警官たちが
時折寄って行く。その中で数人の警官たちがやってきた。先輩、課長などと呼ばれていた男が
いた。彼は確か…そうだ柳水流と呼ばれていた。特徴的な名前だからよく覚えている。
「そうか…あの男の娘か」
男は小さく呟いた。辺りを見回すと大分食料や飲み物が消えてきた。男の体が透けていく。
「最後に大繁盛して良かった。ありがとう」
幽霊屋台はその後、見られなくなった。
霊能力には属性操作をする者や式神等を自身に憑依させる、霊力を具現化させて武器などを作り出す
などがある。一言に属性を水にしてもそこから幾つか枝分かれする。天草姫香は陰陽師に分類され
属性は水、水を凍らせることが出来るのだ。彼女はその能力で空気中の水分を凍らせて刀を作って
戦闘する。圓勺時哉は陰陽師に分類され属性は木だが縄のように練った気功を扱う。属性はあるが
その属性らしいものを必ず使うというわけでもないのだ。