ダーク・ファンタジー小説

Re: かくれ鬼 ( No.9 )
日時: 2012/04/05 15:01
名前: 乙川暮愛 (ID: qESkNdgF)

5、無念

今、学校は大騒ぎだ。

だからといって、お祭り騒ぎ・・・とかではない。

1年から6年・・・。計10人の人が同時に落ちていったから。一人重傷。9人死亡。

重傷の人も99%の確率で、”死”という運命らしい。

美咲は・・・。即死だった。

誰も・・・。何も言えなかった。

・・・だって、美咲は、4階からものすごいスピードで落ちていったのだから。


三奈も、なにもいっていなかった。

教室には、パトカーのサイレンや、近所の人の声がこだまのように響く。

「千香・・・。」

「え・・・?」

「これは、”命がけの”かくれ鬼だったんだ。」

「・・・ッ」

「由馬は、鬼・・・。だったんだよね。

「多分。それで、一人になってまで追いかけた美咲はタッチされて・・・。」

「じゃあ、イヤイヤでも良いから、一緒に帰っていれば・・・。」

「「・・・・・・ッ」」

無念・・・。と言えば良いのだろうか?

なんか、ドライアイスを思いっきり浴びたような・・・。

冷たくって、最悪な思いがこみ上げる。



だって。





美咲は助かったかもしれないのだから。

















       その日の授業は無かった。


               でも、何する気にもなれなかった。