ダーク・ファンタジー小説
- Re: 堕ちた少女は全てを喰らい、支配する ( No.1 )
- 日時: 2020/08/10 16:38
- 名前: 鈴音 (ID: 0LEStScZ)
「ぬおっ!ようやく召喚が成功したのか!」
…誰?…あれ、ここ。…どこだろ
「国王陛下!魔術師の負傷が激しいですが、このまま続行しますか?」
「1人召喚出来たのであればよかろう!魔術師に休暇を与えよう!」
…国王…陛下?…そうだ。私の名前は、柊 希空だ。
「う…」
「少女が目を覚ましました!国王陛下!」
「う〜む。やはり、高度な水晶でも反応せんか…ハズレじゃのう。」
どうやらここは、異世界らしい。異世界に召喚されたのだ。
「ま、待って…!ハズレって、何!」
「無能力者じゃよ。はぁ、異世界から召喚すれば能力者が増えると思ったのにのう。」
無能力者?つまり、チートな力が無いって事?冗談言わないでよっ!異世界に来たら、女神が力を与えてくれるのが定義でしょ!?
「うむ。汚らしい無能力者を排除せよ!王宮から追い出せ!奴隷に堕ちてしまうがよい!」
「はぁ!?勝手に異世界に召喚されていきなり奴隷に堕ちろって?そんなの認める訳無いでしょう!?私は被害者なの!無能力で何が悪い訳!?」
「連れて行くがよい…。」
「はっ!無能力者!奴隷商に行くんだ!国王陛下のご命令だぞ!」
早く…ここから逃げ出さなきゃ!…じゃないと…奴隷に堕ちちゃう!…一歩でも早く…早く!
「嫌ぁ!奴隷になんかなるもんですか!きゃっ!離してー!」
そして私は、奴隷に堕ちた。
兵士に奴隷商の元へ連れて行かれ、「奴隷紋」というもので奴隷契約を結ばれた。
異世界に期待を持った私がバカだった。こんな事になるなら、いっその事死んで仕舞えば良かったのに。
私は今商品だ。普通の女子高生 柊 希空は消えた。今は奴隷として、商品としての柊 希空だ。
嫌だ。どうせ買われる事も無いだろう。買われてもきっと酷い事をされるのだろう。
たった1人の人権なんて頭に無いのだろう。
『憎い。この世界が憎い。国王陛下が憎い。』
憎い。この世界が憎い。国王陛下が憎い。
「全てが憎い。」
この時から、私の人生は全て変わった。