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ダーク・ファンタジー小説
- Re: この馬鹿馬鹿しい世界にも……【※注意書をお読みください】 ( No.138 )
- 日時: 2021/05/25 18:58
- 名前: ぶたの丸焼き ◆ytYskFWcig (ID: Z.r45Ran)
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『リュウ!』
おれがほうきで空を飛んでいると、ベルがやってきた。
「おお。よくわかったな」
『近づくリュウに、日向が気づかないわけないでしょ? 日向と交信しながら、探しに来たの』
おれは苦笑した。ついさっき大陸ファーストに入ったばかりだというのに、もうバレたのか。隠していたつもりはないけど。
今日の終礼で、誰かが日向の家にプリント等を届けることになった。先生が行くことも出来るけど、やはり、誰かに行ってもらった方が助かるそうだ。
おれが住んでいる大陸フィフスは、大陸ファーストからは程遠い。その理由は、大陸ファーストには、いわゆるエクソシストだったり呪解師だったり、そういった『闇』に対抗する役職や民族の人が住んでいるからだ。
おれは大陸外にもそこそこ顔が知れてしまっているので、大陸ファーストに行くのは危険だとは思ったが、まあ、特に何かを仕掛けるつもりもないので、怪訝には思われど攻撃はされないだろうと思ったのだ。
なにかされてもねじ伏せられる自信もあるし、なによりほかのやつに日向の家に行ってほしくなかった。
『日向に届け物? 預かっておくから、帰った方がいいわ。いま家に、日向のおじい様がいらっしゃっているから』
日向から、日向の祖父は、強力なエクソシストだと教えられたことがある。
『祓う』だけではなく『封じる』ことにも長けており、かの『七つの大罪』の悪魔を封じたという伝説もあるほど。
さすがは日向の家系だなと、そのときは他人事と思っていたが、いざ対峙するとなると、やはり身がすくむ。
そこまで考えた時、ふと、疑問が生じた。
「あれ? どうして日向のおじいさんが家にいるんだ? 別に住んでるんだろ?」
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