ダーク・ファンタジー小説
- Re: この馬鹿馬鹿しい世界にも……【※注意書をお読みください】 ( No.163 )
- 日時: 2021/06/13 11:17
- 名前: ぶたの丸焼き ◆ytYskFWcig (ID: OgdieDlI)
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「以前読んだ魔法書には、ディミルフィア様は、呪文に赤や青の色名を用いていたとあったのですが、それにも関係があるのでしょうか?」
リーシャ先生は満足そうに頷く。
「そうですね。しかし、それは間違いです」
ん?
『そう』なのに『違う』?
どういうことだろう。
「ディミルフィア神が使う呪文は一般的に、『白』と『黒』の色名を用いていると言われています。専門家の中では『あらゆる色名』を用いていたと言う人もいますが、現段階では、白と黒の二色です」
なるほど。
「また、『ニオ・セディウム』の神々が【黒魔法】しか使うことが出来ないのに対し、ディミルフィア神は【白魔法】と【黒魔法】の両方の魔法を使うことが出来たとされています。
世間一般の認識として、『キメラセル』の神々は【光】を、『ニオ・セディウム』の神々は【闇】を司っているとされているため、ディミルフィア神が使う魔法は【白魔法】のみと思ってしまっている人が多いです。
筆記試験でも間違いが多いので、皆さん、注意してくださいね」
わたしの頭の中で、色んな言葉がぐるぐると回った。
えっと、『ニオ・セディウム』の神々が、【黒魔法】で、『キメラセル』の神々が【白魔法】だから、ディミルフィア様も使う魔法は【白魔法】で......あれ?
『おい、頭の整理はあとで一緒にやってやるから、とりあえずノートはとっとけ。もうすぐで終わるから』
ナギーの言葉を受けて時計を見ると、本当に、あとほんの三分ほどで、授業は終わりそうだった。
「そして後の人々が二つの魔法を四つに分類し、分類しきれなかった分を二つに分けて【光属性】と【闇属性】としました。
そこからさらに魔法は発展し、いわゆる炎や氷といった【派生属性】、【合成属性】が生まれたのです......」
先生の言葉は続いているけど、わたしはひとまずホッとして、ペンを握り直した。
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