ダーク・ファンタジー小説

Re: この馬鹿馬鹿しい世界にも……【※注意書をお読みください】 ( No.167 )
日時: 2021/06/16 20:09
名前: ぶたの丸焼き ◆ytYskFWcig (ID: 8S3KaQGB)

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 頭がパンクしそう。情報が多すぎて。
 そもそもなんの話だったっけ。

「それでまあ、そんな【浮遊魔法】なわけだけど」

 そう思っていたら、モナが話を戻してくれた。

「魔力操作のイメージとしては、『魔力を動かす』なのね。だから、込める魔力がとても重要な魔法なの。そう言うとなんだか難しい魔法に聞こえちゃうけど、そんなことはないわ。込めた魔力が多少多くても足りてなくても、物体そのものが持つ、ワタシたちが持っているものとはまた違う魔力が、バランスを保ってくれるから」

 また違う魔力?
 そうわたしが思ったことを感じたのか、モナが簡単に説明してくれた。

「物体は、『世界を一定に保つ』という力を持っているの。『世界』と言うと複雑ね。要は『物体そのもの』の形を『維持』しようとするの。ただし、ほかの生物なんかが意図してその形を変化させようとしたときは、それに抗うことはしないけどね」

 頭痛い……頭から煙出そう。

「真白が辛そうだから、そろそろ本題に入るわね」

 モナが苦笑して、そう言った。
 わたしはちょうど着替えが終わったところだったので、そばにあった椅子に座った。するとわたしを見下ろすことが嫌なのか、モナはわたしの椅子のすぐ前にある机に飛び降りた。

「花園さんが石を破裂させてしまったのは、一言で言えば、魔力を込めすぎたからだと思うの」

 わたしは頷く。

「うん。あのね、花園さんって、すごく持ってる魔力が多くて、その調整が苦手らしいの。だから、魔力を爆発的に使う魔法が得意なんだって。
 でも、すぐに魔力切れを起こしちゃう……あれ?」

 わたしは自分の言葉に矛盾を見つけた。
『魔力が多い』のに、『魔力切れを起こす』?

 ?????

「それはきっと、魔力の濃度のことなんじゃない?」
「濃度?」

 モナが頷いた。

「そう。かなり勘違いされてるみたいだけど、魔力というのはそもそも、『魔法を使う力』のことで、真白が使っている『魔力』という言葉は、本来『魔法量』と言うべきなの」
「魔法を使う力が濃いって、どういうこと?」
「それはね、えっと。
 魔力そのものが濃いというよりは、発動する魔法の純度の問題なの」

 魔法の純度?

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