ダーク・ファンタジー小説

Re: 魔法学校は絶対的階級社会 ( No.1 )
日時: 2020/12/08 19:40
名前: リリ (ID: OYJCn7rx)

弦節げんせつ恋雪こゆきは弁当を作っていた。
健康にいいものを作りたい。米は玄米にしよう。
オカズは野菜の煮物とカロリーオフ油で揚げた野菜天ぷら。
スープも持って行こう。オニオンスープにしよう。
でも、オニオンスープ、冷めたら美味しくないんだよな……
こういうとき、普通なら温度魔法を使ってオニオンスープを魔法保温する。
だけど、恋雪にはそれができない。
恋雪の胸にはアリエート魔法学校の校章がついている。
恋雪はアリエート魔法学校の生徒なのだ。
普通の公立魔法学校を出たものでも使える魔法を
アリエート魔法学校の生徒が使えない。
これはとても稀なことだ。恋雪は落ちこぼれ生徒なのだ。
しかし、恋雪は全く気にしていない。
落ちこぼれだけど何か!って感じだ。
恋雪はオニオンスープを持っていくのを諦める。
代わりに炒り卵を持っていくことにした。
炒り卵がうまく焼けたので恋雪はご機嫌。
いい気持ちで魔法学校に行く。徒歩で。
これもまた珍しいことだ。
普通なら初級ワープホールを創ってワープをして魔法学校に行く。
恋雪は初級ワープホールを創ることもできないのだ。
それも恋雪は気にしない。
親がすごく気にしているのに恋雪は気づかない。
アリエート魔法学校から“退学すゝめ”や“落第の連絡”が届かないのか
心配なのだ。
でも、それらの連絡は届かなかった。
その理由が表しているものに、まだ親は気づいていない。