ダーク・ファンタジー小説

Re: 拝啓、天界ノ人 ( No.1 )
日時: 2020/12/17 17:43
名前: 靜 幽無 (ID: 2fSLq59j)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「おはよう」
「嗚呼、おはよう」
 君と会ったのは病院で、君も私も診察に来ていた。
 私は親から貰った金を手に握って、熱の経過を見てもらっていた。実は私、余命がある。
 はは、もしかして病気で有るとでも思った?面白い。
 君も、貴方も、お前も。絶対に死んでしまう。これは当たり前の事だけど、案外気付いていない人が多い物で此方まで嫌悪感を抱いてしまう。だって、「また明日」「うん、また明日」。この会話にも、矛盾が生じている。
 分からない人は…
 それで良いんじゃない?私には関係無いから。
*
 ですから、君との挨拶はおはようだけにしていると。
 お解り?あれ、解って無さそう。
*
 偶然、君には明確な余命が有るらしいですね。残り五か月。
 もしかしたら私は三か月後に天界のスターになっているかもね。と私は笑えました。
 まだ死を軽く受け止めていたから。
 ですが君はまだ人生を謳歌出来ていない。あら。
「じゃあ私が手伝いましょう」
 あれ、これが本当の出会いだったかしら。
*
 私が手伝いを始めにしたのは自己紹介と言う物で。
 君は良いよ、と快く仰いましたね。でも私は自己中という類に入りますので私から言葉を発します。
 そう言えば、此処は図書室でしたかね。ずらりと天井まで本が並んでいる。
 あれれ、美術館でしたっけ。どちらでも余り変わりは無いですね。なら大丈夫。
 取り合えず、私は名前と好きな物を言いました。それに君はパチパチと拍手をしましたね。
 まるで幼稚園児に成ったみたい。君の自己紹介は直ぐに終わったように思えました。でも時計を見てみるともう10分も経っていたではありませんか。不思議ですね。