ダーク・ファンタジー小説

Re: [君が亡くなって] ( No.11 )
日時: 2020/12/20 12:31
名前: 水月ほたる (ID: K.LxVVE2)

11話_


「野川結衣様です。」

『…知ってます。』

「野川さんからお手紙を頂いております。
 あと半年の間に読まれては如何でしょうか。」

『手紙?』


手渡されたのは茶色い封筒。
クレヨンを溶かして上から押さえた様なハンコが押されていて
それで封されている。

その下の方に
*三上裕樹くん*
と書かれている。


一体何の手紙なのか

「一応私も最大限の事を致します。
 ですが治る確率は25%です。
 確実とは言えないので、残り半年だと思って下さい。」

『…分かりました。』

「お大事に」


残り、半年。
ギリギリ卒業まで持たない。
俺の学校は3月25日が卒業式。

あいつらを見送れない。


しかも、白血病って、結衣ちゃんがかかってた病気だ。
あんな頃からこの苦しみを味わっていたのか。



外に出るととても晴れていた。

何故か死にたくなった。

このまま、自分の存在がスッと消えてしまえば
何もかもが終わる。


その前にやる事は沢山あるがな。