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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 呪蝶屋(リメイク版) ( No.1 )
- 日時: 2012/04/05 16:59
- 名前: 夜湖 ◆ktBRgyojdk (ID: 2FwfSENv)
〜プロローグ〜
「許せない……」
「何であいつ何かに、あいつ何かに……!」
「絶対恨み晴らしてやる……!」
此処は、そう言ったお客様が来る所……。
「ポトン……」
水道から1滴の雫が零れ落ちる。私は台所へ行き水道を捻った。
「………………」
何の音も聞こえなくなる。
私の名は黒蝶 呪怨。呪蝶屋の店主よ。
貴方、私が見えるのね……。ならば、貴方には殺したいほど恨んでいる相手がいるのかしら?
私はそういう人にしか見えないの。フフ……信じなくてもいいのよ……?
「おい、また誰かに話しかけているのか?」
「あらソル。散歩はどうだった?」
この子はソル。私の飼っているネコ。
……と言うのは表向きだけどね。
「恨みを持っているやつが大勢いた。だけど面白そうな恨みは持っていなかったぜ」
「あら、私は見たわよ」
こっちはルナ。ルナも私の飼っているネコよ。
……と言うのも……言わなくても解るわね。
それより、ペットと喋っている何て有り得ない?確かに普通ではありえないわね。
『普通』ではね……。
「すごく感じたの。近寄れないくらいの恨みを持っているわ」
「へえ……次のターゲットはそいつだな」
「此処に来れば……ね。でも恨み相手の魂だけ貰っても面白くないわ。
沢山の恨みを抱えている子の恨みを晴らす『だけ』なんて……」
「じゃあどうするんだ?」
「さあ……どうするのかしら?」
「……カラン……」
鐘の音が部屋に響く。
「あら、お客様だわ。……『呪蝶屋』へようこそ……」
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