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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 呪蝶屋(リメイク版) ( No.12 )
- 日時: 2012/04/07 15:53
- 名前: 夜湖 ◆ktBRgyojdk (ID: 2FwfSENv)
〜第3章 危険な生物〜
「お帰り」
「只今、ソル」
「……雷葉、お前本当に此処の店員になるのか?」
ソルとの会話。帰って最初に言われたのは、この言葉だった。
「……うん。もう決めたから」
でも、今更引き返す何て言えない。そう答えると、ソルは嫌そうな、でも満足そうな複雑な表情を見せた。
……ネコだから良く解らないけど。
「雷葉、これから呪蝶屋についていろいろ教えるから。気分が良くなったらあの扉の部屋に来て」
呪怨が左の扉を指差した。
「解った。それと、水が飲みたいんだが……」
「あの扉の奥が台所だ」
ソルが教えてくれたが、何やらご機嫌斜めらしい。何があったんだろう。
……そう言えば、ルナが居ない。
「ありがとう」
とりあえず、そう言った。と、其処で。
「呪怨、ちょっと」
「何?」
ソルが呪怨と教えられた部屋の真逆の部屋に行った。ソルが一瞬僕を見た気がするけど……何だったんだろう?
僕は台所に行って水を飲み、深呼吸をした。また恐ろしいものを見るかも知れないから。
本当にそんな事になっても、やるけど。……いや、やるって何をだよ。
そんな1人コントを心の中でしながら、元の部屋に戻って、扉を開けた。呪怨はまだ来ていない。
仕方ない。呪怨が来るまで待っておこう。
「……可能性は……ある、のね」
1人になった部屋に、その声は虚しく響いた。
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