ダーク・ファンタジー小説

Re: 呪蝶屋(リメイク版) ( No.3 )
日時: 2012/04/05 15:46
名前: 夜湖 ◆ktBRgyojdk (ID: 2FwfSENv)

〜第1章 呪蝶屋へ来たお客様〜

「ドン!ドドドン!」
「あ〜五月蠅い。呪怨、何とか出来ないのか?」
ソルが前足で耳を塞ぎながら私に訴えて来た。
「仕方ないわ。その蝶は人間の魂が入った蝶よ。下手をすれば魂が逃げる」
それに貴方の食べ物を買うお金に引き変えるのよ、と付け加えた。
「でも五月蠅すぎる。呪怨が蝶にしたんだろ」
「いいじゃない別に。さそがし蝶にされて退屈だろうね。蝶にされた貴方達は、地獄大王様の所に行くのよ」
……前にルナが言っていた「恨みが強い少年」はいつ現れるのかしら。
そう思った矢先に。
「カラン……」
扉に着いている鐘がなった。

「何だ、ここ……」
僕が立っている先には、古い屋敷が立っている。
古いといっても、汚くはない。むしろ、綺麗な建物だ。
「呪蝶……屋?」
看板と名前からして店だろう。初めて聞いた店の名に興味を持ち、名前の意味を考えずに入ってみた。
「カラン……」
鐘の音が静かに鳴る。
(へえ……)
中はとても綺麗だった。なのに、蜘蛛の巣が張ってある。木材も古さを感じたが、ピカピカに拭いてアンティークの模型を実現した様だ。
古くて綺麗な物が好きな僕は、好感を持てた。
「いらっしゃいませ」
声がした方を見ると、奥の扉から黒髪に赤い瞳の美少女が現れた。
「呪蝶屋へようこそ……」