ダーク・ファンタジー小説

Re: 白と黒の魔法戦争 ( No.1 )
日時: 2021/03/27 16:58
名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ (ID: 0bK5qw/.)

 プロローグ【扉を開けて】

 昔々……っえ? 急に語りだしたお前は誰、ですか? そうですね、自己紹介も無しに、失礼しました。ごほん、わたくしは、ジェイラル・アヴェーランス。これから説明するラジャリスの世界。それと、こちらの世界……あぁ、貴方方が今、これを読み、存在している世界を繋ぐ扉の管理人兼案内人です。以後、お見知りおきを。まぁ私の役目はここで説明し、皆様方をご案内し終わりですが。
 え、早く説明を? あぁ、長々とお話してしまい申し訳ございません。生憎、喋りだすと止まらないもので。
 さて、先程の話に戻りましょう。
 昔々、ラジャリスの世界では、たくさんの魔物であふれていました。
 魔物は、人のような姿をしたものから、化け物のように恐ろしい見た目の者もいます。魔物は人間を襲い、人間を食べたり、殺したり……。だんだんと、人間は減っていきました。
 このままでは、人間は絶滅してしまう。そんな不安が飛び交うようになったあるとき、ある一国の王が、こう言った発言をしました。
「魔物に立ち向かう勇気を集めて、軍を作ってはどうだろう」
 この提案には多くの賛成を集め、数年のときが過ぎたとき、ついに現実のものとなりました。結成された軍は、しろ魔法騎士団まほうきしだんと名付けられました。中には、魔物に含まれる部類の種族の者もいましたが、彼らは人間に協力する、ワイトと呼ばれる者でした。
 しかし、やられっぱなしで黙っている魔物ではありません。魔物の国、ラックレースの王は魔物を集め、軍を結成しました。なお、白の魔法騎士団に対となるよう、くろ魔法騎士団まほうきしだんと名付けられました。
 それから、千年ほどの月日が流れました。今もなお、その戦いは続いています。
 ――物語にはいつか終わりが訪れます。この戦いにも、いずれ。この戦いに、終止符をうつかもしれない少女が、白軍の寮で生活しています。その生活を案内人のこの私、ジェイラルと覗いてみませんか?
 ……快い返事が聞けて、私は嬉しいです。
 さぁ、世界と世界を繋ぐ扉は開かれた。それでは、よき旅を。ボンボヤージュ!




 プロローグ【扉を開けて】‐終‐