ダーク・ファンタジー小説
- Re: 転生聖女、魔王の娘になる ( No.4 )
- 日時: 2021/05/04 16:20
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
-第3話「魔王の娘、魔術に興味を持つ」-
まぁ、世話係って言われても何も世話して貰う事も無いんだよねー。
2度目?いや、転移する前を含めたら3度目?の人生、特に目標がある訳でも無いからさー。
勇者への復讐.....?いや、歴代最弱の勇者に復讐なんて幾らでも出来るわ!
じゃあこの世界で最強目指してみる?.....いや、お父様に勝つなんて無理無理。
それに魔王って何人かいる筈だし.....。
四天王使って贅沢生活?まぁ今も充分贅沢だしねー。
ま、てことでのんびり暮らそう!
「アルスお嬢様、魔王城を探検してみますか......?」
「クルト、行きたいのです!」
「それでは行きましょうか。」
人狼のクルト。獣人の一種であり、獣の感覚が備わっている。
疾風の様な素早さと獣の感覚で偵察を行う。だっけか。
聖女時代は何か作戦や秘密を話す時は結界を張る様にと命じられてたけど、エドが気配察知で見たけどいないから張らなくても大丈夫。って言ったから張ってなかったけど結果的に全部丸聞こえだったらしい。
「此方、図書館で御座います。お嬢様はこの世界での日も浅いですし、知識を蓄えたい時に立ち寄ると良いですよ。」
「ね.......」
てか、いつの間にかお嬢様呼びになったー。
姫よりはマシかな?
「魔導書、ある?」
「はい、御座いますがそれは......」
「魔術、覚えたいのです!」
残念ながら魔法はかなりの魔力量が無いと駄目なのだ。
魔力を確認したけど、多いのではあるが魔法までとはいかない量だった。
聖女時代の時も、周りに魔法を使えるのは私しかいなかった。
後は精霊が使ってたくらいかな。
てことは大精霊のアエルは使えるのかー。
少し俯いてこう告げた。
「残念ながら、魔王クヴェル様の指示で、魔術を習う事は禁止されております。」
「そう......。お父様は何処?」
「それも、お伝えする事は出来ません.......。」
お父様ぁ?何かと禁止事項ありすぎでは?
こうなったら直接講義して来ます!
でも、魔王城の構造も分からないから執務室までの道が分からない......。
とでも言うと思ったかボケェ!
最初はそうだったよ。でも聖女時代に気配察知だけは習得してたんだよ!
魔王の気配を辿ればおーけー!
「はぁっ.......!」
「お、お嬢様何を!?まさか.....気配察知!?まだこの世界に来たばかりなのに......」
「お父様、見つけたぁ!」
子供、全速力で走る。魔王城の廊下を走る。
廊下は走るな?魔王城はどうかは知らん!
まだ子供なら許される!
執務室を突き止めて、扉を勢い良く開ける。
「お父様!魔術!」
「あ、アルス.....?どうしてここに.....それに魔術って.....」
「お父様!魔術、覚えたいのです!」
「.......。アルスの事は俺が守るのだから、魔術なんていうものは知らなくても良いんだよ?」
「それでも魔術覚えたいのです!」
the・ゴリ押し。
だって魔術だよ?便利だよ?
覚えない訳無いじゃん.....!
「はぁ......。仕方無い。アルスがそう言うのなら許可しよう。だけど、魔術の勉強の時は必ず四天王誰か1人連れて行くんだよ?良い?」
「はーい!やったー!」
子供って最高だなー。
超英才教育やん。