ダーク・ファンタジー小説
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.2 )
- 日時: 2021/05/05 01:51
- 名前: 大根味の味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
…まただ。
また私は人を殺して回ってる。
私はどれだけ血を浴びたんだろう。
私はどれだけ人を殺したんだろう。
エリヤ?「ハハハハハ!!見つけた、リリー。」
エリヤ?「残るはあなただけ、あなたさえ殺してしまえば私の勝ちよ?」
エリヤ?「もう私の邪魔をできる人はいなくなるの。即ち、私がこの星を支配できる。」
リリー「…」
リリーは沈黙を貫き通した。
エリヤ?「じゃあ私の手で楽に殺めてあげる、感謝なさい?」
私はリリーに近づいた。
私の手がリリーの首を絞めた。
エリヤ「…はっ!!!!!!」
…また嫌な夢を見たみたい。
エリヤ「…最近こんな夢ばっかり。」
エリヤ「あーあ、こんな怖い夢見たくないのに…」
…そういえば、今、何時だろ?
エリヤ「…午前…4時!?」
嫌な夢を見たからか、早い時間に起床しちゃった。
エリヤ「まだ眠いし…もっかい寝ようかなあ…でも…嫌な夢見るし…」
エリヤ「…よし、寝ないことにしよう。」
エリヤ「うんうん、嫌な夢は見ないことに限る!」
???「ねえエリヤ、起きてる?」
あっ、リリーだ。
エリヤ「うん、起きてるよ!」
私は元気良く答えた。
リリー「大丈夫?さっきからすごいうなされてたけど…」
エリヤ「…うん、大丈夫。」
エリヤ「ってかリリー、もしかして起こしちゃった?」
リリー「大丈夫大丈夫、さっ、ご飯の支度しよっか!」
リリーはいつもと変わらない笑顔で答えてた。
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.3 )
- 日時: 2021/05/05 12:28
- 名前: 大根味噌煮(省略) (ID: T3oqfZAk)
リリー「ふう…お腹いっぱい…」
エリヤ「うん…そうだねえ。」
久しぶりにお腹いっぱい食べた。
美味しかった。
リリー「あ、そういえばエリヤ、入学手続き済ませておいたよ」
エリヤ「うん、わかった、いつから入学だっけ?」
リリー「えーっと、2週間後」
エリヤ「そろそろ入学だねえ…」
私は2週間後にリリーが入学してるポートリア学園に入学する。
ポートリア学園には、対 幻魂獣に特化している生徒がいるらしい。
…でも、私は霊魂を持っていないけど、ホントに大丈夫かな…?
エリヤ「ねえ、リリー、私、霊魂持ってないけど…大丈夫なの?」
リリー「あー、多分大丈夫、物理での訓練をすることもあるから」
幻魂獣には霊魂しか効かないのかと思ってた。
普通に物理も効くんだ…。
リリー「あっ、そろそろ登校の時間だ。行ってくるね、エリヤ。」
エリヤ「うん、いってらっしゃい!」
リリー「行ってきます!」
エリヤ「さーて一人の時間だ!何をしよっかな?」
エリヤ「あっ、そうだ、久しぶりに外に出てー」
私が外に出ようとした瞬間、家の外から大きな地響きがした。
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.4 )
- 日時: 2021/05/09 00:46
- 名前: 大根味の味噌煮(更新サボってすみません) (ID: T3oqfZAk)
エリヤ「わわわっ!?」
かなりの地響きに驚いてしまった。
一体外で何が起こったんだろう。
エリヤ「んー…、あれ…は…」
エリヤ「幻魂…獣!?」
窓から外を覗いてみると、そこには左手がトロンボーンのように変形していて、まるで蛙のような見た目の幻魂獣がいた。
「幻魂獣だ!!」
「逃げろ!!殺されるぞ!!」
外から大きな声で叫ぶ声が聞こえる。
「ヴア…アア…?」
幻魂獣が声の方向へゆっくりと進み出す。
幻魂獣が進むたび、ドスン、ドスン、と大きな音が響く。
「や、やだっ、死にたく、死にたくない…」
「助け…助けてっ、助けて!」
外から悲鳴が聞こえる。
「ヴグ…グラ…ラ…」
幻魂獣が何かを叫んでいる。
「ラ…ヴェ…」
その瞬間、近所に建っていたマンションが盛大に崩れ、噴水のような血飛沫が辺り一面に散乱した。
それと同時にとても不快な音が響いた。
エリヤ「ゔ…ゔえっ…」
不快な音、噴水のような血飛沫、そして血の匂いから吐きそうになる。
エリヤ「ゔ…に、逃げなきゃ…」
ゆっくり立ち上がる。
エリヤ「何か護身用の物は…」
その時、流し場の近くにあった包丁が目についた。
エリヤ「包丁…包丁でも良いかな…?」
とりあえず包丁を持ち出して扉をゆっくり開ける。
左右を確認し、足音を立てずにゆっくりと幻魂獣と反対の方向に進む。
生臭い鉄の匂いがする。
エリヤ「避難所は…こっち…かな?」
早足で北の方向に進む。
「ゔヴ…グ…カ、カルル、カルマー…」
幻魂獣が何か叫ぼうとしている。
早く…早く逃げなきゃ…。
その時だった。
後ろから、大きなトロンボーンの音が聞こえた。
- Re: 命が星を焦がす時(題名が定まりません…) ( No.5 )
- 日時: 2021/05/10 21:40
- 名前: 大根味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
エリヤ「ッ…くっ!」
耳が弾け飛びそうなほどの音量、体が吹き飛んでしまいそうな振動。
素早く、そしておぞましい音が私の耳の中でこだまする。
エリヤ「アアァッ!!!!痛い!!痛いっ!!」
鼓膜が弾け飛びそうなほど酷い。
エリヤ「っ…止めなきゃ…っ」
気が狂ったのか、私はゆっくりと幻魂獣のトロンボーンへとゆっくり近づいていく。
ゆっくり、ゆっくりと。
エリヤ「うっ…ぐっ!」
耳から血が出てきた。
やばい、とにかくやばい。
エリヤ「っっ…!!」
気を失いそうになるが、なんとか自我を保つ。
ゆっくり、ゆっくりと幻魂獣に近寄る。
なんとか幻魂獣のトロンボーンへと近づいた時には、もう何も聞こえなくなっていた。
振動による痛みが体を蝕む。
エリヤ「こ…れでっ…」
包丁をトロンボーンに突き刺した。
「ヴ…ヴググ…ヴアアアアッ!!!!!!!!」
幻魂獣はトロンボーンを右手で押さえ、突然トロンボーンを右手に装着し、そのトロンボーンを私に投げつけた。
「っ…!!」
死を覚悟した。
目の前が真っ黒になる寸前、見覚えのある人が見えた。
その人は口を開けて、私に何かを伝えた。
でも私にはわからなかった。
- Re: 命が星を焦がす時(題名が定まりません…) ( No.6 )
- 日時: 2021/05/14 20:09
- 名前: 大根味噌 (ID: T3oqfZAk)
…うぐっ、頭が痛む…。
…私、死んだのかな。
…ここ、どこだろ。
天国、かな?
…いや、違う。微かに感じる手の温もり。
ここは…。
「エリヤ!!大丈夫!!」
突然大声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
…あれ?私鼓膜破れたよね?なんで聞こえてるの???
リリー「エリヤぁ…心配した…」
リリーが涙を流した。
エリヤ「あの時はどうなるかと思ったよ、まさかトロンボーンを投げつけられるなんて…」
エリヤ「うぐっ、頭が…」
リリー「全治3週間だって、安静にしてって。学校の方には連絡しておいたからね。」
ーふう、あの時はどうなるかと思った。
死ぬんじゃないかって思った。とーっっても怖かった。
でもこれからポートリア学園に入学するんだし、こんな怖気ついていられないよね。
よーし、治療とリハビリ頑張ろう!!
〜Chapter Ⅰ 夢を追って〜
終
- Re: 命が星を焦がす時(題名が定まりません…) ( No.7 )
- 日時: 2021/05/14 20:08
- 名前: 大根味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
〜Chapter Ⅱ 出撃!ポートリア学園!〜
…あの出来事からどれくらいたったっけ。
えーと、3週間くらいかあ…。
エリヤ「あっ、リリー!!」
リリー「ん、エリヤ?どうしたの?」
リリーは突然叫んだ私に驚いている。
エリヤ「明日!明日!ほら!!入学!!」
リリー「…」
そういえば…
リリー…記憶力…悪いんだっけ?
リリー「あっ!入学か!!」
やっぱ忘れてたか。
リリー「え、えーと…」
…今夜は忙しくなりそう。
-次の日
エリヤ「昨日は忙しかったなあ…」
リリー「本当にねえ…」
エリヤ「えーと、何時から行けばいいんだっけ?」
リリー「確か、9時だったような。」
後10分後か。
エリヤ「そろそろ行こっかあ」
リリー「そうだねえ」
よし、ポートリア学園に急がなくっちゃ。
今から行くぞ、ポートリア学園!!
- Re: 命が星を焦がす時(題名が定まりません…) ( No.8 )
- 日時: 2021/05/14 20:38
- 名前: 大根味噌煮(本日は2枚サービス) (ID: T3oqfZAk)
ポートリア学園、どんなところなんだろう。
ワクワクしながらリリーと歩く。
リリー「エリヤ、そろそろ到着するよ!」
エリヤ「え?本当?」
わたしはめっちゃめっっっっちゃワクワクした。
リリー「よし、ついた。ここがポートリア学園だよ。」
レンガで建てられた数階の建物。
レンガで敷き詰められた校門。
校門から学校までの道には石のレンガのようなものが敷き詰められていて、その側には綺麗な灯りが灯されている。
エリヤ「わわわあ… すごい…」
その美しい景観にとても驚いた。
正直に言うと、私はストリグル家なのに物心ついた頃からずっとホームレスとして生活してきたから。
「あら、リリー?…と、そっちのお隣さんは…」
リリー「あっ、リヴィア、おはよう!こっちの子は転校生のエリヤ、仲良くしてあげてね!」
エリヤ「あ、こ、こんにちは…」
なんだろう、凄い緊張する。
リヴィア「ああ、あなたが転校生のエリヤなのね。 私はリヴィア、よろしくね!」
なんだか優しそうな人で安心した。
リリー「?あれ、いつものホスとバルドーは?」
リヴィア「なんだか家庭の事情で今日は二人とも休むらしいわ。」
リリー「へえ、何かあったのかなあ…」
「おーい、リヴィア、リリー。」
リリー「おっ、」
リヴィア「この声は…」
バラル「よう、おはよう。そいつは?」
リリー「この子はエリヤ、転校生のね。」
バラル「………」
バラル「…ああ、よろしく。エリヤ。」
バラルは不安を感じているかのような声で返事をした。
まあ気にしないことにした。
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.9 )
- 日時: 2021/05/19 21:02
- 名前: 大根味の味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
…あれから数時間後。
「はーい、これで本日の筆記授業は終わりにしますよー」
バラル「はあ…疲れたな、次は実技授業か。」
リヴィア「エリヤさん、授業についていける?」
エリヤ「なんとか…」
「皆さん、今から実技授業を始めます、訓練室に来てくださいねー」
筆記授業が終わり、私たちは実技授業に参加することになった。
実技授業は、私たちが幻魂獣相手に戦えるようになるため、訓練室で霊魂や武器の扱い方を習ったりする授業。
みんな武器は持参するみたい。
「エリヤさん、武器は持ってきましたか?」
先生が私に問いかけた。
エリヤ「えーと、これでも大丈夫ですか?」
そう言って私は持ってきた短剣を見せた。
この短剣は「星壊のオーケストラ」という名前らしい。
リリーが小さい頃に使ってた短剣。
使い方は一応リリーに教えてもらってる。
「…ええ、大丈夫です。」
エリヤ「ねえリリー、訓練室まではどれくらいで着くの?」
リリー「あそこを右に曲がって、階段を下って、左に曲がって…」
リリー「…まあ、ついてきて。」
エリヤ「う、うん。」
…数分後。
リリー「ついたよ、エリヤ。」
エリヤ「ここが…訓練室?」
窓越しに大きな部屋が見える。
そこには、訓練を行う生徒達の姿が見えた。
エリヤ「光以外の霊魂…初めてみた。」
リリーが扉を開けた。
リリーは私が入り終わると扉を閉めた。
リリー「えーと、そこにあるのは擬似幻魂。あれに向かって訓練するの。」
エリヤ「具体的には何をするの?」
リリー「例えば短剣で相手の急所を狙ったり、短剣で相手にトリッキーな戦い方をしたり…とか。」
〜次回へ続く。
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.10 )
- 日時: 2021/05/22 01:18
- 名前: 大根味の味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
とりあえず、リリーに言われたようにやってみる。
右手に短剣を構え、擬似幻魂に向かって走ってみる。
短剣が擬似幻魂の左手を貫いた。
エリヤ「ねえ、こんな感じ?」
リリー「うんうん、そんな感じ、意外とコツ掴むの速いね、エリヤ。」
エリヤ「そうかな?」
リリー「うんうん」
リリーが褒めてくれた。
エリヤ「よーし、頑張るぞ!」
気合を入れて、早速幻魂の体を引き裂く。
何匹も、何匹も。
右手に力を込め、右手に持った短剣で、幻魂を切り裂いていく。
エリヤ「この訓練、余裕だね!」
私がそういった瞬間、いきなり後ろからパンチが飛んできた。
エリヤ「いってて…え、これ、殴ってくるの!?」
リリー「勿論、そうでもしないと訓練にならないでしょ?」
エリヤ「まあ…そっか」
幻魂が殴りかかってきたので体を左にくねらす。
そして相手が転びかかった瞬間に背後を突き、首を切る。
こうするといいって、リリーに教えてもらったから。
右から拳が飛んできても、しっかりと避けて、脇腹を切り裂く。
なんだろう、異常に慣れるのが早い。
なんか、前もこんなこと、やったことがあるような。
…まあいいや。
リリー「…もうこんなにやっつけたの!?」
エリヤ「う、うん、なんだか…」
リリー「んー、まあいいか。」
リリー「エリヤ、次は遠距離相手への訓練だよ。」
エリヤ「…うん、わかった、リリー!じゃあ、また後でね!」
リリー「うん、またね…」
私はすぐそばにあった扉を開けて、次の部屋に向かった。
そこには、見かけぬ生徒が立っていた。
???「転校生のエリヤじゃん!やっほ、もう近距離相手への訓練は終わったの?」
相手のグイグイくる姿勢に驚いた。
エリヤ「あ、は、はい、も、もう終わりましたぁ!!」
メリア「まあまあ、そんな怖がんなって、俺はメリア、よろしくな、エリヤ!」
エリヤ「あ、はい、よろしくお願いします…」
優しそうな人で安心した。
さて、次は遠距離相手への訓練だ。
頑張ろう!!
- Re: 命が星を焦がす時 ( No.11 )
- 日時: 2021/05/23 02:51
- 名前: 大根味の味噌煮 (ID: T3oqfZAk)
「エリヤ、短剣でも遠距離相手に立ち向かう方法はある、なんだと思う?」
突然そう聞かれた。
「うーん…」
無理矢理敵に接近して切る?
…いやいや、隙を見せる可能性があるし、そもそも相手が複数だったらこの戦法は通用しないし。
だったら、短剣を投げて敵に当てる?
…リスクが大きすぎる、これも相手が複数だったら通用しないし。
うーーーーん…どうすれば?
「分かりません!!」
結局、分からなかった。
正直短剣で遠距離相手に立ち向かう方法なんてないでしょ?
「ははっ、そっか、まあ分からないよな。
正解は、『その短剣で相手の球を弾きながら進む』だ。」
…
は?
え、え、無理じゃないの?
「まあ、そんな嫌な顔すんなって、俺が練習相手になってやる。」
「え、あ、はい…」
「よし、今から撃つぞ。しっかり球を弾け、そして俺に向かってくるんだ。」
…え?ほんとにこんなことできるの??
そんなことを考えてる最中、メリアは突然撃ってきた。
「弾け弾け、さもないと死んじまうぞ!!」
「あーもう、どうにでもなれえ!!」
そう叫びながら、メリアから放たれる球を弾きメリアに向かっていく。
「近くまで来たな…」
メリアがそう囁いた。
…何か来る!
「せいやァッ!!」
突然、メリアの持っていた銃が片手で持てる電磁ナイフへと変わった。
それと同時にメリアの左手から、シャボン玉が発せられた。
「ぐッ!?」
シャボン玉に当たり、中に溜まっていた水が破裂する。
「まさか…っ!」
この状態で電磁ナイフを使われたら、確実に感電する。
明らかにまずい状況になってる。
「ちょっと、これ、遠距離相手への訓練じゃないんですか!?」
「え?あ、そうか。言い忘れてたな。」
「ここでは、遠距離と近距離、どちらも使いこなしてくる奴相手との訓練もするんだ。」
「へ…?」
「すまんすまん、言い忘れてた。」
「それはいいとして、訓練はこれで終わりか?」
「っ…!!」