ダーク・ファンタジー小説

Re: 命が星を焦がす時 ( No.4 )
日時: 2021/05/09 00:46
名前: 大根味の味噌煮(更新サボってすみません) (ID: T3oqfZAk)

エリヤ「わわわっ!?」
かなりの地響きに驚いてしまった。
一体外で何が起こったんだろう。
エリヤ「んー…、あれ…は…」
エリヤ「幻魂…獣!?」
窓から外を覗いてみると、そこには左手がトロンボーンのように変形していて、まるで蛙のような見た目の幻魂獣がいた。

「幻魂獣だ!!」
「逃げろ!!殺されるぞ!!」
外から大きな声で叫ぶ声が聞こえる。
「ヴア…アア…?」
幻魂獣が声の方向へゆっくりと進み出す。
幻魂獣が進むたび、ドスン、ドスン、と大きな音が響く。
「や、やだっ、死にたく、死にたくない…」
「助け…助けてっ、助けて!」
外から悲鳴が聞こえる。
「ヴグ…グラ…ラ…」
幻魂獣が何かを叫んでいる。
「ラ…ヴェ…」
その瞬間、近所に建っていたマンションが盛大に崩れ、噴水のような血飛沫が辺り一面に散乱した。
それと同時にとても不快な音が響いた。
エリヤ「ゔ…ゔえっ…」
不快な音、噴水のような血飛沫、そして血の匂いから吐きそうになる。
エリヤ「ゔ…に、逃げなきゃ…」
ゆっくり立ち上がる。
エリヤ「何か護身用の物は…」
その時、流し場の近くにあった包丁が目についた。
エリヤ「包丁…包丁でも良いかな…?」
とりあえず包丁を持ち出して扉をゆっくり開ける。
左右を確認し、足音を立てずにゆっくりと幻魂獣と反対の方向に進む。
生臭い鉄の匂いがする。
エリヤ「避難所は…こっち…かな?」
早足で北の方向に進む。

「ゔヴ…グ…カ、カルル、カルマー…」
幻魂獣が何か叫ぼうとしている。
早く…早く逃げなきゃ…。
その時だった。
後ろから、大きなトロンボーンの音が聞こえた。