ダーク・ファンタジー小説

Re: 世界の定め ( No.3 )
日時: 2021/06/14 20:36
名前: ユリ  ◆XBSA37v.sg (ID: HAhG.g1E)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13069

第二話 違反


時間を止めたら、すぐに外に出る……!!
私の魔法は、まだ上手く使えていない状態なの。だから、時間が止まるのにも制限がある。
私の制限は……。長くて五分。短くて三分。だから、最低のことを予測して三分以内に行かなければならないんだ。
時間を止めたら、みんな固まっているように見える。それを移動させたら、テレポーテーションのようになってしまうから、ダメって言われてるんだけどね。窓を開けて、外に出て……。ドアは時間が止まってるから開くわけ無いでしょ。そして右に行った所で……。げっ!!
勇太君が、車にひかれそうになってる!?
じゃあ、移動させて、すみません、杏ちゃんの家におじゃましま~す。勇太君の部屋、分からないからリビングにでも置いておこう。じゃあ、怪しまれるからさっさとコンビニに戻らないと。
今は一分経過。まだ二分もある、余裕余裕。のはずだった。私が道路を渡って、ひこうとしていた車の前を通ったとき、なんと、まだ二分も残っているのに時間が動いた。
私は、そんなにすぐには魔法を発動できない。ああ、ばれたんだ……。そう思った。
そして、私はひかれて気を失った。


ここは……。どこ?私は、なにをしていたの??ここは、確か天国に行くか地獄に行くか決める裁判所よね。そして、多分決められるのは私……。ああっ!そうだ!!私は、違反をして、車に撥ねられ、多分そのまま死んだんだね。
カンカンカン!!
なにかを叩いた音……。裁判が始まる合図ね。さぁ、どうなるんだろう。
「これから、第364回、精霊裁判を始めます。罪は、人を動かした罪と、人間界の人数をごちゃごちゃにした罪、二つです。一つはまぁ軽い罪ですが、人数に関することは、いっさい封じられているはずです。それを犯したことによって、なんらかの罪を与えなければなりません」
ザワザワ、ザワザワ。
観覧席からの、どよめき。どうせ、そんな大罪を起こす者がいたのか!?っていう感じに思っているのでしょ。
「では、罪人。否定文を言ってみなさい」
めんどくさいな。否定文ってなによ。まぁ、適当なことを言えばいいのね。
「私は、大罪を起こした、悪いことだ、それは分かっているので、処刑されてもいい身です。ですが、これだけは守っていただきたいルールがあります。それは、私が助けた男の子に、手を出さないこと。そして、その男の子を殺そうをした訳は、私のお母さんが、赤ちゃんを産むから、そのためにわざと事故を起こさせ、人数を保とうとしたのでしょう?だったら、私がこのまま死んで、母親の赤ちゃんは、私の人数の代わりにやってください。それなら、出来ないことも無いでしょう?」
「う~む。いいだろう。その思い、良い人しか抱かない思いだな。判定は、天国だ。ゆっくりするといい。気持ちいい所だろうからな」
「神尾 裕美は、天国へ行かせることにする!!」
カンカンカン!
また何かを叩く音。私は、天国か。まだ、生きたかったなぁ。お母さん、お母さんが産む子供を、私だと思ってくれますように。

世界の定め  ~完~