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ダーク・ファンタジー小説
- Re: またねじゃなくて、さようなら。 ( No.2 )
- 日時: 2021/06/14 20:18
- 名前: ねむねむ ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13040
一話 鬼の娘
その子は、鬼の娘だった。家族と仲良く、森の中で暮らしていたの…………
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今日は、私のお誕生日。お母さんとお父さんと一緒にケーキを食べるの。
私たち鬼は、森に住んでいる。でも生クリームとかはさすがに作れないから、お母さんたちが人間に変装して街に降りて行って買うの。なんで変装するかというと、鬼ってだけで殺されるから。
私たちは鬼の中で、最も神様に近い存在。だから、人間を食べたりは決してしない。でも、動物に近い鬼が人間を食べるせいで、鬼全体が人間を食べる生き物として認識されてしまっているの。
もちろん私たちは神様に近い存在だから、抵抗すれば人間に殺されることは絶対にない。けれど、私たちが「チカラ」を使ってしまえば、私たちを殺そうとした人間を殺すことになってしまう。
私たちを殺そうとしたとはいえ、同じ地球に生きる生き物だし、誰であっても殺したくないしケガさせたくない。だから私たちはもし人間に殺されそうになっても抵抗しない、と思う。だから変装するの。まぁ、いろいろな理由があるってこと。
お父さんはいつも狩りに出かける。その間に私とお母さんは料理とか編み物とか掃除とか、いろいろなことをするんだ。お父さんは、いつもなら狩りに出かけたら遅くに帰ってくる。でも今日は私の誕生日だから、早く帰ってきてくれるって約束してくれたの!
みんなでおしゃべりしながらご飯を食べて、ケーキを食べる。こんなに幸せなことってないでしょう?私、この日常が続けば他に何もいらないとさえ思うの。
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