ダーク・ファンタジー小説

Re: 「しあわせ」を求めて。 ( No.4 )
日時: 2021/07/21 17:01
名前: ぬこみかん (ID: UgVNLVY0)

「...本当に大丈夫なの?」
「は?何が?」
「え、あ...普通に、バレたら死ぬかもしんないのにさ」

こんな短期間の交流で本気で心配するボクもボクだなあ、ほんとに...

「バレなきゃいいだろ」
「絶対そういうもんじゃない」
「あれ?もしかして心配してる?」
「悪い?」

いや、うん。心配する慈悲くらいあるでしょうが。

「いや別に、俺のこと好きなんだなぁと」
「...は、え、あ、違うし」

思いっきり目を逸らしてしまった。いやほんとに違うし。

「そんなの嘘に決まってんじゃん、ばーかばーかw」
「はーーーー.....うっざ」
「騙されたお前が悪いんだよ」
「うわうわうわ...キミみたいなの割と嫌ーい...」
「俺悪くねーし」

はあ...このままだと埒が明かないな

「もーいいよ...怒ってないし」
「えーほんとかなあ?」
「ほんとだよ...」
「あっそ」
「聞いた癖に興味なさそうだね」
「いいじゃん別に」

なんか拗ねてる。かわいい...とは思わないけど。

「まあいいけど」

いいよね、キミは自由で。

羨ましいよ、ボクも外に出て遊びたいし、願わくばキミと...なんて、考えても虚しいか...

ああ、もう...いやだよ。君のせいで...君のせいでっ...

「あれ?もしかして泣いてんの?可哀想になぁ」

頭に手が触れる。体温はほぼない。

「ひゃ...冷たっ...」

あれ、なんでだろ...涙が...止まんないよ...

「う...グス、ばか、誰、のせいだッ、と思って...」
「勝手に泣いたお前が悪いんだよ」

笑って言う彼。あーあ、

敵わないなあ...


〜第一章 名も無き天使の御噺 二話〜