ダーク・ファンタジー小説

Re: 華 ( No.5 )
日時: 2021/08/09 08:46
名前: ダリア (ID: 7TIkZQxU)

家に帰る途中、
「アイス…。食べたいな。」
と、思い、コンビニによった。

家までアイスのゴミを持って帰るのがめんどくさかったため、公園でアイスを食べることにした。

公園についた頃、ちょうど空が茜色で綺麗だった。
私はブランコをこぎながらアイスを食べていた。
初めて食べるミルク味のアイスだったが、普通に美味しかった。
リピートしたい味だ。





その時だった。

中学生くらいだろうか。小柄な少年が一人で公園にやってきた。
時刻は7時過ぎくらいだったから、
「この子も寄り道して帰ってるのかな。」
くらいにしか思わなかった。

しかし、その少年は意外にも私に話しかけてきた。

「ねぇねぇ、おねーさん。
 今日、全身白くてクネクネしてる奴、見なかった?
 あの子、僕のお友達なんだ。
 コッチに来た時に迷子になっちゃったみたいでさ。
 見たならどこで見たか教えて?」

と、上目づかいな笑顔で聞いてきた。
私はとっさに

「見たよ。でも、君のお友達が何者なのかを教えてくれないと、どこで見たかは教えてあげない。」

と、言ってしまった。我ながらにちょっと意地悪だったと思う。
でも、少年は

「わかった。
 教えてあげる。」
「でも、今日はもう僕、家に帰らなきゃいけないから明日でもいい?」

と、言った。
私は

「もちろん!」
と、興奮気味に答えた。
少年は笑顔で

「ありがと。じゃあ、明日の6時半にこの公園で集合ね。
 あ。あと、この華を明日まで大切に持ってて。
 この華の用途も明日教えるから。」
「じゃあまた明日。」

と、言って去ってしまった。
少年から渡された華は〈ダリア〉だった。





>>06