ダーク・ファンタジー小説

Re: 華 ( No.6 )
日時: 2021/08/10 16:14
名前: ダリア (ID: 7TIkZQxU)

少年から渡されたダリアは綺麗な赤色で傷一つない状態だった。

私はこれはただのダリアではないと思った。
何か意味があるのだと思った。

私はそんなことを思いながらダリアを花瓶に入れ、眠った。





朝起きると少しダリアがしぼんでいる気がした。
急いで水を変えて日の光にあてた。

日の光にあてている間に身支度を済ませ昨日の少年に会いに行く準備をした。

少年との約束の時間まではまだまだある。
その間に学校の課題をやることにした。





少年との約束の時間になった。
私は興奮を抑えながら公園へ向かった。



私の手の中には少ししおれてしまったダリアがあった。



少年は私よりも先に公園へ来ていた。

「お。時間ピッタリ。」

少年は腕時計を見てそう言った。
私は早く白い奴について知りたかったため少し少年を急かし

「早く白い奴について教えてほしいの。お願い。」

と、言った。
しかし少年は依然と落ち着いていて

「まあまあ、そんな興奮しないでよ。
 ちゃんと教えるから。
 教える前に一つ。
 どうしておねーさんはその白い奴?っていうのについて知りたいの?」

と、言ってきた。

「私の友達が白い奴に怯えてたの。私も白い奴を見た。でも、私と私の友達しか見えていなかった。それに今も白い奴が頭から離れてくれないのっ!!」

私は初めて胸の内を話した。

白い奴を見たあの日から、目をつぶるたびに白い奴が頭に浮かんでくる。
恐怖もあったが好奇心もあったため、そこまで恐れてはいないはずだったが、少年の顔を見ると、よくわからない恐怖心が湧き上がっていた。

少年はずっと落ち着いている様子で淡々と説明していった。

「そうか。分かった。

 まず一つ言えるのは、君が見た白い僕の友達は、普通の人には見えないこと。そして、普通の人には危害を加えないこと。これだけは言える。

おねーさんの友達が怯えていたのは、単に怖かっただけなのか、なにか悪いことをしたのか。の二択。
どっちなのか心あたりある?」

「心当たり…。
そういえば、圭のお兄さんが数日前に亡くなった。って。
普通なら悲しむはずなのに喜んでた…。」

圭はお兄さんが亡くなったのにお葬式にも出ていないようだし、

「あー。やっとアイツ死んだわw
ガチうるさくて毎日アイツが死ねばいいのに。って、祈ってたもんw」

って、言ってた。お兄さんがどんな人かは知らないけれど、流石に言い過ぎでは。と、思った覚えがある。

少年は

「なるほど。
 では、きっとアイツのせいですね。
 人の汚い夢や欲を好み、その夢や欲を叶え、さらに叶えた相手を自身の家畜とする
 【ガノア】。

 僕はそう呼んでいます。
 きっとガノアがおねーさんのお友達の「兄が死ねばいいのに」という願いを叶えたのでしょう。

 僕の友達はちょうど最近僕の所に来ました。なので多分、僕の友達は君の友達のお兄さんです。」

少年は意味の分からないことを淡々と言った。全身白いやつが私と圭にしか見えていない時点でかなり意味が分からないことなのだが、少年の言っていることはもっと意味不明だった。





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