ダーク・ファンタジー小説

R.P.G. 第零話 始まり 前編 ( No.1 )
日時: 2021/11/15 18:46
名前: もやたろー (ID: NdgXheZW)

 『グサッ』

周りに刃物が刺さった音が鳴り響く。

あの人でもない。あの子でもない。

「……丈夫かい? 」

と探していると、焦った顔をした、知らない人が俺にこう聞いてきた。

俺はなんとも無い。

なのにこの人は、心配ばかりする。

「本当に? 我慢しなくていいんだよ」

とこの人は、何故か俺の腹を指差す。

「腹? 」

と俺は腹を触った。

別に痛くも痒くも何ともなかった。

ただ、何か液体が手についていた。

「ん? 何か……」

と違和感を覚えたので俺は、手を実際に見た。

「赤い……ッ」

赤いことを確認した瞬間に俺の腹が刺されたように傷んだ。

『血だ……ナイフ……俺が、刺されたのか』

また、俺の腹には、刃物も刺さっていた。

『クソッッ死ぬのか? 』

と言っていると、俺は、頭を床に落とし、意識は暗闇に吸い込まれていった。