ダーク・ファンタジー小説

Re: 神が導く学園生活 ( No.15 )
日時: 2022/03/20 23:08
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: fqLv/Uya)

今は3時間目。実技の授業だ。俺は今朝買った箒を手に持っている。

「皆様が卒業した後、様々な職に着くことになるでしょう。その中でも役に立つのは箒。移動はもちろん。敵を撹乱するのに使います。」

今回は箒の授業。箒に乗って魔法を中に浮いている風船に当てる。これは魔法によって得意不得意が分かれるな。
実技の魔法授業は成績によっては学園ランクが上がるからな。引き締まって行かねば。
と言っても俺は広範囲の炎魔法が使えるから結構有利だ。心配なのは...ラナだな。ラナが使ってる魔法は氷魔法。単体攻撃が得意な魔法だから風船割りは苦手だろう。クロもだ。闇魔法も単体攻撃特価の魔法のため風船割りは苦手だろう。タミは...炎魔法以上に広範囲技は得意だから心配はしなくても良いだろう。

俺たちは箒にまたがり白色のラインに立つ。先生は小さい赤旗を持ち上へ上げている。

「それでは、スタート!」

先生が旗を下げる。それで俺は一気に力を込めて箒で飛ぼうと...した。
幾らジャンプしても飛ばない。
やばい。飛べない。なんでだ?!
俺は様々な疑問が頭を飛び交うが、それよりも教師陣の視線が痛くなった。
どうしたらいい、箒に乗らないまま魔法を使うか?いや、そしたら最悪ランク降格されてしまうかもしれない。
マジで...ヤバい。どうしようか。
すると空を飛んでいたラナが降りてくる。
は?ラナ何やってるんだよ?!

するとラナが俺の手を掴んだと思ったら...

飛んだ。

いや、え?どういうことだ?
俺は何が起こってるのか分からなかった。そんな中でも両足で箒を一生懸命落とさないように挟んでいるぐらいには冷静さを取り戻していた。
飛べなかった俺を見かねてラナが助けてくれたのだろう。けれど、後教師陣に何で言われることやら...そんなことはいい。とりあえず目の前のことに集中しよう。

ラナは一生懸命氷魔法で風船を割っているが、2人分の箒の魔素を使ってる上に広範囲が苦手な魔法だ。全然割れていない。このまま助けてもらうのもアレだもんな。一気に俺は外の魔素を手に集中させる。

「アン・ブレイズ!」

すると俺の手から炎が漏れだし俺たちを円のように囲い炎が暴れ出す。半径数メートルの範囲の風船が一気に割れる。

「...」

ラナは無表情だ。けれど、結構驚いたのでは無いのかと自画自賛した。ラナは自分が風船を割る必要が無いと感じたのか箒に魔素を込めることに集中する。
さてさて、これから無双していくぜ!

俺は周りよりも魔法ができてるため少し調子に乗りながら大得意に魔法をぶっぱなして行った。

ーーーーーーーーーー

はい。調子に乗りました。俺はチェック先生の足元で正座をさせられている。いや、正しくは俺達だったな。隣にはラナが正座で座っている。

「お前らなぁ...ファミリア召喚の時は面白いやつらだと思ったが...何やらかしてんだ...」

チェック先生はかなり呆れていたようではぁとため息を着いて手を頭に当てる。
俺は黒歴史をほじくり返される気持ちを襲う。
あぁぁぁ!なんで俺はあの時調子に乗って魔法ぶっぱなしてしまったのだ!正直に先生に飛べませんって言えばよかった!
ラナは横で何をしでかしたのか分からないという顔をしてキョトンとしていた。それが子猫のように愛らしく一瞬驚いたのは置いておこう。

「まずセキマ!飛べないならば正直にそう言え。他生徒が割る分の風船も全部割っちまって...」

はい。その通りです申し訳ない。
俺は明らかに威勢がいい先生に萎縮してしまった。あれは明らかにやりすぎだ。
周りの痛い目がキツかった。虐められるのはこうやって周りを見ずに登校するのが原因なんだろうな。

「そしてローズ!お前はセキマの悪ふざけに加担し、自分の魔法と、2人分の箒の魔法分の魔素を使い途中で倒れた。要するにバカだ。何故こんなことをした。」

チェック先生は呆れ過ぎたのがもう勢いが無くなってしなしなの声でラナに言う。
ラナは更にキョトンとした顔をする。

「私が何をしたというのでしょう」

ラナはその一点張りだ。チェック先生はまた手を額に当てる。そしてチェック先生ら俺に指をさす。

「よし。セキマ。お前は白梅に降格だ。」

「はぁ?!」

俺は思いもよらない言葉に叫んでしまった。

「ほぅ。先生に向かってその口調は何だ。」

するとチェック先生の威圧が復活し、俺は潰されるかと思うぐらい居心地の悪さを感じる。

「本当はラナも降格何だが...白梅は降格のしょうがないからな。とりあえず白梅2人組。もう戻れ」

チェック先生は俺のネクタイを取り上げ白色のネクタイを渡した。俺は屈辱を味わいながらそのネクタイを手に取った。

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