ダーク・ファンタジー小説
- Re: 神が導く学園生活 ( No.4 )
- 日時: 2022/01/14 21:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Mu5Txw/v)
「では、学校のランクについて説明します!」
ついさっきのことが無かったかのように先生は授業を進めていく。
「皆さんの学園ランクはなんでしょうか?わかる人ー!」
俺たちの学園ランクか。確か校長先生がちょろっとだけ話してた気がするな。ネクタイ、リボンの色が何とか...
でも詳しくは覚えてないからてをあげられなかった。
すると隣の席のラナが手を上げる。
「私たちのランクは一番下の白梅です。ランクは6段階あり、松竹梅とわかれており、上から赤松、青松、紫竹、桃竹、黄梅、白梅となっています。」
校長先生の話を完璧に覚えていたようだ。さすがラナだ。
「はい!大正解ですぅ!ローズさんが言った通り、学園には6段階の階級があります!わかりやすいようにまとめます!」
また先生が黒板にスラスラと表を書いてくる。
『赤松 C騎士級
青松 D成人級
紫竹 E学生級
桃竹 E学生級
黄梅 F学生級
白梅 F学生級』
おお、これはわかりやすい。国のランクも一緒に書いてあるし。魔法と比べたら遥かに覚えやすい。俺はスラスラとノートをとっていく。
すると
ジリジリジリジリジリ
と、早鐘が学園中に響き渡る。お、最初の授業が終わるのか。
「あ、授業が終わりました!それでは皆さん!次の授業は国、学園ランク付けですよぉ!遅れないように来るように!学園裏の森に来るように!それでは!」
先生は片手を大きく降ると教室を出ていってしまった。
次はランク付けか... 各魔素量や魔法技術、武術でランクを決めるんだっけな。
「ねぇ君」
隣の席のラナに声をかけられた。何にも興味がなさそうな彼女から声をかけられ俺はドキッとしてしまった。
「次...どこ」
次の授業が何処かを俺に問う。
「聞いてなかったのか?」
俺は少し意地悪く聞いてみる。するとラナは少しムスッとして嫌悪を明らかにしてくる。
「教える気が無いならいい。他の人に聞く。」
ラナは正しい判断をする。こんな事になるなら意地悪く言うんじゃなかったと俺は目頭がジンと熱くなる。
別に悲しくなった訳では無い。そうだ悲しくなんかない。自業自得だ。
俺はそう自分に言い聞かせラナを横目に必要教材を揃えていく。
「あの、次のテスト...」
ラナが他の人に声をかける。がしかし、皆は彼女を無視したりやんわり断ったりしている。何故だ?
「ねっ、黒髪の君っ」
すると金髪に褐色肌の少女が声をかけてくる。耳がとがってるから...エルフか。エルフに悪いことしたらいけいからな。なるべく関わらずに過ごそう。
「なんだ。俺は次の授業の準備で忙しいんだ。」
できるだけ冷たくあしらう。するとエルフの子はプクッと頬を膨らませる。可愛くないからな。
「そんなこと言わないでっ!私はカタバミ・エルフ・ガベーラ!気軽に呼んでいいよっ!君は?」
名乗られたら名乗り返さなきゃな。ついさっきラナに言われたし。
「俺は暗狼 牙だ。」
「クロか!よろしくっ!突然だけど、クロってローズさんのこと好きでしょ」
勝手に呼び捨てするなよ。それに人の恋路に突っ込んでくるなんて失礼にも程があるだろ。まあエルフだから許されるんだろうけどな。
「勝手に言うな。俺はラナと関係ない。」
「愛称で呼んでるー。本当は仲良いんでしょー?」
うるさいしウザイ。しつこい。でもそれを正直に言うとクラスから疎まれる存在になるだろう。疎まれると言えばなんでラナは周りから無視されてるんだ?
「カタバミには関係ないだろ。それより、ラナはなんで周りから無視されてるんだ?」
俺は思った疑問を手近にいたカタバミに聞いてみることにした。少し癪だかな。
「知らないの?悪魔ガーデスって」
悪魔ガーデス...?悪魔は分かるがガーデスは聞いたことないな。でも西暦はガーデスで表されてるな。ガーデス1600年とか。
「知らない」
「じゃあ私が教えてあげるねっ!ガーデスってのは今から1000年ぐらい前にいた凶悪な悪魔だよ!白銀に髪先が赤くて緋色の目をしてるの。それにローズさんがそっくりなんだよ!」
カタバミが自慢げに説明する。うん。その様子が必要以上に粘着質でウザイな。
それにしても大昔の悪魔の容姿にそっくりか。でも彼女の髪先は水色だしメガネをかけている。吸い込まれそうな美しい緋色の目をしているが、悪魔では無いだろう。
でも悪魔と思われるのも無理はない。この世界で白銀に緋色の目は珍しいからな。
髪や目はその人の適正魔法系統に影響される。例えば光系統で特に闇魔法に適性があるから黒髪に黒い目だ。先生は灯魔法を使っていたし赤髪に赤い目だったため炎系統使いだろう。ラナは氷魔法を使ってたから普通は水色の髪に碧眼のはずかんだが、彼女は白銀の髪に緋色の目だ。白銀の髪は天系統に属する髪で、緋色の目は炎系統に属する色のため、氷魔法が使えるはずが無い。確かに悪魔呼ばわりされても仕方ないかもしれないな...
珍しすぎる髪に目だし。そういえば目の前にいるカタバミは金髪ツインテールに黄色の目だ。きっと雷系統使いなんだろう。
「でも、ガーデスは世界の果てに封印されていてこんな世界の中心にある学園には居ないはずだ。」
後ろから高くもない低くもない中性的な声が聞こえる。しかしその声を聞いただけで背筋がゾッとするような... 舌でつま先から頭先まで撫でられる嫌悪感がする。その声の主は授業で、Sがサイキョーか聞いていた奴だった。赤髪に真っ赤な目歯はギザギザしていてまるで悪魔のようだ。悪魔見たことないけど。それにしても赤髪ってことは炎系統魔法使いか。
「あ、俺は赤魔 光 悪魔じゃないぜ。普通の人間だ。」
そうだよな。悪魔はこの学園にいるわけないもんな。世界の果てに追放されてるんだし。見かけたら殺されるもんな。
「あぁ。すまない。俺は暗狼 牙」
「私はカタバミ・エルフ・ガベーラ!エルフよ!よろしくっ!」
人ということはこの学園は様々な種族の生徒が居るのか... ラナは何族なのだろうか?やはり人族の方が見た目的にしっくりくる。
「そういえば早く森に行かないと遅れるぞ。」
コウが思い出したかのように言う。そうだ。早く行かなければ遅れてしまう。そういえばラナはどうしたんだろう。教室の周りを見渡してみる。すると1人ポツンとラナが待っていた。
「...次の場所...教えて...」
ラナは無表情でありながら屈辱的な雰囲気を浮かべた。
>>5 魔法系統、国、学園ランク説明