ダーク・ファンタジー小説

Re: ずっと一緒にいたい ( No.4 )
日時: 2022/02/27 14:35
名前: りゅう (ID: ChGJKnnB)

「おはよう御座います。体温計どうぞ。体調はどうですか?」
「おはよう御座います。体調はなんとも...昨日の夜少し腹が痛かったぐらいですかね。」
体温計を脇に挟み、昨日を思い出す。あとなんかあったかな..
「そうでしたか。痛みを緩和させる薬いりますか?」
「いえ、体温36.2度です。」
「はーい、では有難うございました。」

「では今日は、リハビリ室まで歩いていきます。手すりを持ってゆっくりで構いませんので。」
手すりの前まで手を持ってもらいゆっくりと移動する。
がんが進行してから極端に体力が落ちた。このままじゃがんの進行が加速すると言われたので取り敢えず歩いている。慣れてきたら次は病院内の散歩らしい。だけど散歩は当分夢のまた夢だろう。
今ではたかが、100m先のリハビリ室まで行くのも息切れを起こしてしまうのだから。
「ハア...ハアッ...」
「大丈夫ですか?あともう少しなので頑張りましょう!」
「ハアハア..っはい...」足がガクガクしてきた。座りたい...
「鍵開けるの忘れてたのでごめんなさい、ちょっと開けてきますね〜そのまま自分のペースで歩いて来てくださって構いませんので。」
小さくコクッと頷いた。それを見たら少し安心した様に鍵を開けにいった。
「ハアハア...ッハアハア...ハア..」まるで長距離走を走ってるみたいに肺が痛い。冷や汗が止まらない。



............?あれ?なんで天井が見えるんだ?焦点が合わない。グラグラする...



焦った看護師さんの顔も焦点が合わずぼやけて見えた。
佐々木ささきさん⁉大丈夫ですか!」
「...ハアハアッ...だ..大丈夫。大丈夫です。」
倒れたのか、理解が遅れた。

こんな時の対処法を知っているのか、迷わずに僕を抱えこみもう近くまで来ていたリハビリ室内のベットに寝転ばせてもらった。
「ふらっとしてしまったんですね。ちょっと失礼しますね、よっと。」
慣れた手つきで僕の足を曲げ右向きに寝かせた。
「足、しばらくそのままにしておいて下さい。」
「はい....」

今まで倒れたことないのに。そろそろ本当にやばいかもしれない。