ダーク・ファンタジー小説
- Re: wonder land ( No.14 )
- 日時: 2022/01/22 19:09
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
「あ、……この階段を登るの…?」
商店街を抜けて、教会や噴水を抜けたところには先の見えない階段が待っていた
「あはは〜。流石にキツイかな?」
「移動魔法とかあったら楽そうだよね…」
「あ、じゃあ移動魔法で1番上まで行こうか。」
「え、テラって移動魔法まで使えるの!」
「子供の頃習ったんだ。もともと翡翠兎族が得意だった魔法で、僕は少ししか使えないけどね」
「でも、上まで行けるなら充分だと思うよ!」
「うん。じゃあ行こう」
テラが何かつぶやくと私とテラに魔法陣が現れた
「階段の上まで」
魔法陣はウニョウニョ、消えそうになったり大きくなったりして光った。
視界が白くなって(何も見えない!)と思った途端、景色が変わった
ビューと風が吹いた感じ…(階段の上に着いたんだ)
「……凄い……」
大きな門に沢山のメイドや執事、いかにも“国王”が住んでいそうな城だ。
すると、1人のメイドが歩いてきた。普通のメイドが着ている服とは違い、少し豪華な仕様になっている
「ようこそおいでくださいました。白銀兎族 ヴィンセント・テラ・シルヴィット様地球族 アリス様」
(ヴィンセント・テラ・シルヴィット…初めて聞いた名前…今までテラが本名かと思っていたけど、ちゃんと外国人みたいな名前なんだ…あれ?テラってミドリネームなの?なんでミドルネームで名乗っているのかな…)
「私はメイド長をしています。セスと申します。国王様まで案内をさせてもらいます。」
セスさんは深々とお辞儀をしたので私もぺこりと一礼をした
「ではこちらへ」
門を潜り、メイドと執事達の間を通る。(誰も喋らず動かないという状況で私とテラとセスさんだけ動く…緊張する……)
城内に入ると、見たことがない国旗が目に入った。きっとワンダーメロディーの国旗だろう。アリス様とハープのデザインになっている
「こちらが王室となっています。では」
セスさんはまた丁寧なお辞儀をしたのでもう一回深くお辞儀をした。顔を上げると。足音を出さずに去っていってしまった。
「アリスちゃん。この大きなドアの奥に国王がいるんだ。ここからは慎重にね」
「うん」
心の中で深呼吸をする。(テラと話を合わせるだけ!)