PR
ダーク・ファンタジー小説
- Re: マリオネット ( No.3 )
- 日時: 2022/11/19 10:26
- 名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)
第3話『質問』
グースーピー…グースーピー…グースー……
はあ。リンってばいびき、かきすぎ…。
うるさすぎて本が読めない!!
気持ちよさそうに寝てる…。
起こすのはかわいそうな気がするし、
図書室にでも行って端っこで読んでこようかなあ。
そう思って私が椅子から立ち上がると、
コン、コン、とドアをノックする音が聞こえた。
「?…誰だろ。」
気になってドアを開けると、
背の高くて綺麗な女性が立っていた。
「あ!マーマード、さん!?」
その綺麗な女性はマーマードさんと言って、
私が小さい頃、お世話になった人だった。
今、私が読んでいたこの本も、この施設に来た頃、
マーマードさんにもらったものだ。
私が施設に来た時、初めての場所に連れてこられて、
泣き出す私をマーマードさんは優しく撫でてくれた。
夕食に出てきたトマトが嫌いでわめいた時は、
「食べられないものは誰だってあるのよね。私はクルミが苦手なのよ〜。」
と笑いながら食べてくれた。
懐かしいなあ。
「ふふ。リリコ、よね。覚えているわ。久しぶり。」
覚えてくれていたんだ!!
「マーマードさん!お、お久しぶりですっ!」
「緊張しているの?可愛いわねえ。…ああ、それでね。リリコに聞きたい事があって…」
【つづく】
PR