ダーク・ファンタジー小説

Re: マリオネット ( No.9 )
日時: 2022/12/24 11:46
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第9話

「掃除、して。」

黒髪の女の子が目の前で言った。

「え…。」

この人、私と似てる。
目の色、髪の色は違うけど明らかに顔が一緒…。

「あ、は、はい…。」

小さく返事をすると、私のそっくりは奥の廊下へ行ってしまった。

はっ!ここから出ないといけないんだった。
このドアを開ける鍵を持ってそうなのは…。

さっきの綺麗な女の人だ!!
さっきの人も向こうの廊下へ行っちゃったよね。

じゃあ、追いかけないと!!

私は小走りで廊下の奥へ——

すると突然、誰かに腕を掴まれてしまった。
そしてそのままブンと横に振り回されると、頬をバチンと勢いよく叩かれた。

「痛っ…。」
腕を放されて、振り落とされ、勢いよく尻餅をついた。

頬はみるみる赤くなって、涙が出てくる。

誰…?こんな酷いことするの…。
見上げると、眉を寄せて怒っている様子の人物が。

「何やってるんだ!?廊下は走るな。忘れたのか!?決まりは守れ!!絶対だ!!」

怒鳴られて、足でガンと体を蹴られる。
「痛い…。」

わたしをひたすらにボコボコにした人は、そのままどこかへいてしまった。

「酷い…。」
いきなり引っ張られて叩かれて、蹴られて…。
ここは、ほんとに、なんなの!?

つづく