ダーク・ファンタジー小説

Re: Cord___CyAN ( No.25 )
日時: 2022/11/25 18:11
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

Episode 7.「Reaper」

叶魅が意識を失ってから14時間、彼の愛銃グロック18は破損。
篠崎有栖は死亡、犯人である東純あずまじゅんも叶魅による銃撃で死亡。
小暮彰は行方不明。
CyANの捜査官は頭を抱えていた。
「奏太、小暮のGPSの信号は?」
志摩奏太、CyAN所属の特別潜入捜査官兼情報部部長だ。
「ロスト、最後に受信したのは14時間前です」
「最終受信地点から半径30km圏内で捜索は...人手がたりねえか」
指揮官が居ないという致命的な状況で、任務など出来るはずがない。
このままでは、作戦にも支障が起こる。
「失礼します、津葉木さんが目を覚ましました」
バディである藍奈は、冷静な口調で報告した。
「本当か!!」
「はい、橘さんが病室に居るそうです」
ようやくフルメンバーでの活動が再開できる。

「叶魅、大丈夫か?」
「ええ、まあ...。事情は聖華季と九条さんから大体聞きました」
彼の言う九条さんとは、九条渚くじょうなぎさのことだ。女性捜査官で、水色の頭髪に172cmという長身。クールなのだが、叶魅と二人きりになると女の子が出てしまう。
「しばらく作戦に参加できず、申し訳ない」
渚は深く頭を下げた。
「んなこたあもうどうでもいい、叶魅が目を覚ませばどうだってな」
「私謝った意味ないな」

Re: Cord___CyAN ( No.26 )
日時: 2022/11/26 22:33
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

結局あのあと、渚は拗ねてしまった。
渚は27歳なのだが、拗ねている姿は小学校低学年だ。
「九条さん、元気出してくださいって...」
「いいもん、私は居ても居なくても変わらないんだもん...」
クールキャラのイメージぶっ壊れである。
しかしながら、彼女の経歴はかなりだ。過去にテロの鎮圧を一人で行い、テロ組織も一人で解散まで追い込んだ。裏では、悪魔と呼ばれていたりする。
「叶魅くんは優しくしてくれるのに、みんなは優しくしてくれない...」
「あの~...僕ら二人だけじゃないんですよね...」
「何かさーせんっす...」
「...何も見なかった、いいな?」
「アッハイ」

藍奈は考えていた。
(指揮官の最終受信地点がここ、だとしても短時間でそう遠くは行けない)
しかしながら、目撃情報すらない。
完全に行方不明と言っていいだろう。
「よっ、お疲れさん」
「荒木さん、お疲れさまです」
圭は藍奈にカフェオレを差し出し、目の前のイスに座る。
「何かわりいな、小暮を探してくれるなんて」
「いえ、作戦に支障が出ては困るので」
無愛想な返事だが、本当は嬉しい。
こうやって自分がやっていることに感謝してくれることが嬉しかった。
「藍奈さん、圭さん、いいお知らせと悪いお知らせがあります」
二人は訝しげな顔をして、奏太の話を聞いた。
「いいお知らせとやらから聞くぜ」
「彰さんの行方が判明しました」
「ほう...悪い知らせは?」
「...彰さんは、黒です」

Re: Cord___CyAN ( No.27 )
日時: 2022/11/26 22:53
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

緊急召集をかけ、会議室に集まった。
「急に呼び出してすまない、奏太から話だ」
奏太が、スクリーンの横に立ちパソコンを操作しながら喋り始めた。
「いいお知らせです。彰さんの行方が判明しました」
「奏太、追跡はできるのか?」
叶魅の質問に、奏太は冷静に返した。
「微妙です、悪いお知らせに繋がりますが」
「志摩、悪い知らせを」
「はい。彰さんは黒です」
確証すらないのに、なぜ言い切れるのか。
「この画像だけでは、確証はありません。しかし、彰さんの本名は小暮彰ではありません。黒井影虎くろいかげとら
黒井影虎、大規模テロ組織神風の組長。
しかし、同姓同名の可能性も否定できない。
「DNA鑑定の結果、黒井影虎のものと一致しました」
「じゃあ、今までやってきたことは...」
「何が目的か、それは本人しかわかりません」
叶魅が口を開こうとした瞬間、代表の部屋から銃声が2発聞こえた。
アイコンタクトで部屋に突入すると、額に2つ穴が空いた代表の死体があった。
「...黒井の仕業か」
「カメラの映像を確認、間違いありません...」
___黒井影虎です。

7話終了です
ちょっと飛ばし気味でしたね