ダーク・ファンタジー小説

Re: 能力の慣れ、研究所。#3 ~ジイサンとの逆心~ ( No.2 )
日時: 2022/11/13 19:50
名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

ほんとのこと全部話してやるよ。 2

確か、儂が11か12だった時だ。

儂は兄妹の中で一番好きだったのが、あの子だった。

あの子は慣れもすぐ突破したし、皆に優しいし、このうえなくかわいい、天使のような子だった。

研究所も、すぐには出なくて、ただ14歳までに研究所に行くのが13歳で行ってしまったのだが。

研究所に行くとなった時はうれしいやら寂しいやらで手を振り、「研究所でも、頑張ってね。君なら

大丈夫。だって、君だもん。」この時間を大切にするように、しばらく間をおいてからあの子は

言った。「わかってるよ、大丈夫。あなたも、頑張ってね。私も頑張るから。「能力」研究所で待っ

ててね。」

あの時の寂しさが、研究所の意味を後々知ることになった理由になるとは儂は思いもしなかった。

…さっきも言った通り、儂は1年過ぎても研究所に行かないもんだから、儂が研究所に行ってみよう

と思ったんじゃ。儂らを育てた人たちは、研究所のことをとくに触れなかったもんだから、行って

見ようと思ったんじゃ。今思えば、たんなるバカの行動なんじゃがの。

5m近くある塀を能力で何とか乗り越えた。あとは、研究所の前に二人番人がいたが、儂の能力は攻

撃性ではない。従って近づかないといかん。儂は二人の番人を眠らせてから研究所の中に侵入した

んじゃ。「あの子の名前・・・あの子の名前・・・。」儂は人がいないか警戒しながら、研究所の中

を探した。あの子にあったら何を言おう。そして、うまくやってる?と聞こうかな?そう思うだけで

ワクワクするもんだから周りなんて全く見なかった。もちろん、人には警戒したがね。ようやくたど

りついた、あの子の名前が入った看板を見て儂は喜び、あの子がいるか確かめようとした、その時

だった。

ブッ・・・・シャアァアァアァッ・・・・

半分以上赤い部屋にいるあの子は目の色は暗く、何も覚えてないような顔でナイフを持ったまま、

そこに立っていた。儂はもう信じられなくて、折角あの子がいるのにすぐに逃げた。

帰りの研究所の通路に研究員らしき姿の人が何かしゃべってこっちに向かっているのが見えたので、

儂はまだ顔が青くなりながらなんとか隠れ、研究員の会話に耳を澄ませた。すると、この研究所の

本当の秘密が見えてきたのは言うまでもなかろう。「知ってるか?この研究所の意味。」 

「そういえばまだ聞いてなかったなぁ。どんな意味なんだ?」 「なんでも、ここのボスは殺し屋を

欲しがっていて、小さい飢えた子供を救ったふりをして能力が手に入る注射を打たせ、大きくなった

やつらに殺し屋をやらせるらしくてよ。ここは殺し屋をつくる研究所ほかんじょなんだってよ。」

「へぇ。ボスはそんな奴らを欲しがっているのかい。怖いねぇ。で、実際殺し屋になったやつは

どうなっているんだい?」

「そういえば確か、ボスの家が宮家だそうで、殺し屋のことを「お掃除係」と言っていて今でも

いろんな殺し屋を殺しおそうじがかりとして掃除ころし続けているんだってよ。」

「そうなのかー。すごいなぁ。殺し屋って。宮殿って言われてんだよなぁ。」

「お前はそこが一番気になるんかい。」

儂が今でも覚えてる、鮮明な唯一の記憶。これは抑えきれないほどの怒りとむなしさで、この研究員

二人をあやめてしまうほどの、このうえない怒りだったのは、君たちも―――アイマたちも、

わかるはずじゃ。