ダーク・ファンタジー小説

Re: 能力と英雄#3 ~ジイサンとの逆心~ ( No.3 )
日時: 2022/11/20 19:24
名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

ほんとのこと全部話してやるよ。 3
「全部、殺し屋を育てるための、育成施設だったんだ・・・。記憶をなくして、能力を使って人を・・・・・ッ」

まだわからない、助けを必死に求めるアカリの姿に、正直俺は元気をなくした。ずっと親友きょうだい

が泣いてちゃ、ぜんぜんうまくいけないもんだからな。あ、ちなみに俺はアイマ。アカリと同じ、

能力者だ。能力はシールド。最大5個までのシールドを使える。最大容量は横5mほどだ。

「儂はこの目で見た・・・。残念だが、ベリーとやらも記憶をなくして人を・・・・亡くしてると思う。」

「ベリー・・・。人を殺すんじゃなくて、人を守る側の人間なのに・・・。私、守るよ、守る。みんなも!」

確かに決意を固めたアカリを・・・俺は、こいつの笑顔も。守ろうと思った。改めて、誓ったんだ。

そう思った。それからの一週間は実に速いもんで、俺たちはここから脱出するもろもろの準備も

終わってしまった。あとは、いつ・どこで兄妹に告白するのか。俺らは図書室でアカリと話していた。

「やっぱり、最初は私たちの次・・・つまり、私達の最も年齢が近い人、リピ、アオに言ったほうがいいよね。」

「そうだよな。ただリピは出会ってからそんなに話さない。だから最初からちょっとずつ話しかけないとな。あと、アオ。アオもアオですごいヤツだし、警戒しながらのほうが…」

「だ、大丈夫だよ。リピもアオも10回以上は絶対に話してるもん。リピなんて『こんな私にかまってくれるのアカリだけ。ありがとう、アカリ』って言ってたよ。」

「…‥‥アカリ、人脈すげぇもんな。だってこの棟だけで、少なくとも100人ぐらいはいるのに。」

そう、まだ言ってなかったが、この屋敷には、5棟もの大きさがあるのだ。マップには、

各党に100人ぐらいいるのだが、一つの党を除いて、100人だった。その一つの党は大人がいて、42人くらいしかいないらしい。

「私達、ほんとにこんな大きいところから抜け出せるのかな。‥‥この図書室だけでも、すっごくすっごく大きいのに。」

「大丈夫だ。だって、言っただろ?俺らで、最低な道を生き抜こう・・・って。」

「そうだよね。私達なら、きっと。」

再び、アカリは勇気のある目にもどるとさっき言った棟について話した。

「ところで、あの棟・・・なんだっけ、えっと、えっと・・・。」

「『大人専用の棟』・・・か?」

「そう!それ!大人専用って、いったいどういうことなんだろうね。大人専用ってことは、私達みたいな人の大人バージョンってことかな?」

「わからないが、多分、偽りのママ…、アカナ達がいるってことなんじゃないのか?」

「でもたやすく『大人専用の棟』っていうかな?もしバレちゃったりでもしたら大変なのに、わざわざ大人専用の棟って。」

「確かにな。」

そう答えた瞬間、突然胸騒ぎを覚えた俺はうまくアカリの話を聞けなかったものの、なんとか

答えることができた。――――――刹那。

ゴンッ!!!

「え?」