ダーク・ファンタジー小説

Trick-トリック- ( No.21 )
日時: 2012/11/22 19:54
名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: QxkFlg5H)

「家の事情で…会えなくなっちゃったんです。とても、遠いところに住んでいるんです。」

少女は真剣に話出した。私は少女の話の合間に相づちを打ったりして聞いていたが、内容は残酷なものだった。
(このまま一生会えないかもしれないなんてな……気の毒すぎる…)

「私…私は……もう一度椿と……兄と会うことが出来ますか…?」

少女は最後に震える声で言った。
下を向いているので表情まで確認することはできなかったが、泣いているように見えた。

「私は貴方の未来が見える」

少女はコクリと頷いた。
次に来る言葉を静かにじっと待っていた。

「貴方は、例えどんな運命でもそれを受け入れないといけない。」

また頷いた。
どんな言葉が来るのか、覚悟はしているようだ。

「未来は…貴方次第で変えることが出来る」

決めゼリフ、私達の。
綺麗事をただただ並べたような文章だが、此処に来る人の大体は気にせず聞いてくれる。この少女も静かに頷き、何も気にしてはいないようだ。

そして、私は静かに目を閉じた。