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ダーク・ファンタジー小説
- Trick-トリック- ( No.5 )
- 日時: 2012/08/17 21:14
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: JStKLIYH)
「ああああああああああああっ!!!!!!!」
突然、耳をつんざくかのような音がすると、それと同時に女の叫び声がした。
この声、まぎれもなく母の声だ。
あの頃とは変わりきってしまった母に、涙さえも出てくる。
「言うことだけやってればいいのよ!!!私にいちいち言わないで!!!」
そのとたん、大きな『もの』が倒れる音がして、家が少し揺れた。
そのあと、大量の皿が割れる音がして、再び叫び声があがった。
「あああ死ねえええええっ!!!もうあんたと一緒に居る気もないっ!!役たたず!死ね死ね死ね死ね!!!」
狂ってる。
もうおかしいくらいに狂ってるだろう。
隣に居た司が俺に寄り添ってきた。
俺はただそんな司を抱き寄せるしかできないが、まだ叫び声はつづく。
「もう出てけ出てけ出てけ出てけええええっ!!!全部全部全部全部っ!!!!」
壁が鈍いおとをあげ、ガラスが割れる中、父のうめき声と母の声が響いた。
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