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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 共犯おにいさんといっしょ ( No.1 )
- 日時: 2022/11/13 12:59
- 名前: 暗 海津波 (ID: .Y/VNxAC)
■プロローグ
「──ッ、──!」
人間の体の脆さとしぶとさを同時に体感している。
体の上に乗り上げて、鼻と口を塞ぐと、そいつは呼吸ができなくなる。そうするとどうなるか。しばらくしたら死ぬ。死にたくないから藻掻いて、必死に手を振りほどこうとする。
組み敷いた彼は、目を見開いて手足をバタバタさせて必死に抵抗してるのに、上手く行かなくて弱っていく。手の甲にはみみず腫れと血の跡が沢山残って痛む。
苦しそう。可哀想? いいや、当然の報いだろう。血走った目で見上げてくるのもいい気味だった。
ビクッと四肢が数回跳ねて、それから動かなくなる。
殺した。人を殺したにもかかわらず、妙に頭は冷え切っていた。
やることは多い。爪垢も証拠になるらしいから、死体の爪の先の肉をハサミで切り落とした。バラバラに捨てれば、証拠は残らないだろう。
予め用意していたブルーシートとロープで死体を包み、ボストンバッグに詰め込んだ。
住んでいる場所がかなり田舎なので、20分も歩けば山に辿り着く。ヤモリのお爺さんが所有する私有地の山だったと思うが、なりふり構っていられない。
夏の蒸し暑い夜。一人の高校生が人を殺した。でも、その事実が明るみになるのはもう少し先のこと。
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