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ダーク・ファンタジー小説
- Re: おねえちゃんとオオカミ子供。【期間限定】 ( No.1 )
- 日時: 2022/12/17 18:06
- 名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
オオカミ子供
自転車で、とても大きな坂を登っていく。ここは田舎だからだろうか。山が多いし、急斜面なんて日常の内だ。どうってことない顔でやり過ごすも、やはり体力が奪われていく。なんとかしないと。そう思っていた時。気がつくと、林の中にいた。太陽が真上にある。
木漏れ日が、どこもかしこも続いている。暑いくらいだ。しかし、何でここにきたんだ…?とりあえず、誰かいないか確認しようと思ったものの、散策しようにも最初に足音が聞こえた。
ザッ…ザッ…
迷い込んだ人だろうか。もしくは殺される…?悪寒が私を襲った、その刹那ーーー。
「こんなところにきて、どうちゃったのお?おねえちゃん。」
甘い声でささやく彼女は、頭がオオカミで、下はニンゲンの、いわゆる狼面人だった。神話に出てくるバケモノだ。
「私が聞きたい。あなたは誰?どうしてこんなところに連れてきたの?」
いいながら、私は少し震えた。制服が、風に揺られて靡く。
「なんでもなにも、ここは〝アナタの心の中〟。」
「え…」
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