ダーク・ファンタジー小説

涼達の作戦 ( No.102 )
日時: 2023/11/03 22:43
名前: ミートスパゲティ (ID: okMbZHAS)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

一方その時、龍心は考えていた。
(奴らは何が目的だ…?俺を人質にしての悪英雄の解散か?いや、それならスマホは持たせてねぇはずだ。)
そう俺は一人でグルグル頭を回転させていた。
「龍心。来い。」
そう外で見張っていた一人の男に言われる。
そう。中筋流加だった。
「てめぇ。ヤニ臭ぇんだよ。」
俺はそう言いながらも奴に言われた通り、奴の元に行く。
両手が縛られた今、戦っても勝ち目はないだろう。
流加は煙草を吸いながら俺の前を歩いていく。
そして階段を登り始めた。
それからすぐ、屋上までたどり着きそこで待っておくように指示された。
そして涼がこちらに寄って来た。
「龍心。今からお前の目の前でお前の大切なもんがぶっ壊れるんだ。よく見とけよ。」
そして俺に向かいこう言った。
「は、訳わからねぇこと言ってねぇで早く開放しやがれクソが。」
そう俺は言い返した。
「ハッ。強きだな。だがそれがいつまで続くかな。」
そう言うと涼はまたどこかへ行ってしまった。
そして見張りがいなくなったと同時に俺は少し周りを確認する。
(当たり一面柵だらけ。両手が使えねぇから登ることすらできん。てかまず、一応4階だからな…。ここに来た時の扉は…開いてるが確実に見張りはいるだろう。)
どう頑張っても逃げれないようになっていた。
(ここで餓死させる気か?)
俺はそう考えるがすぐにその考えは失せた。
目の前で大切なものが壊れると言っていた。
(何する気なんだよ…。)
俺はそう不安になる。
そして、意味もなく少し歩き回ってみた。
柵の方に寄って下を見てみる。
「!?」
驚くことに真下には拓海達がいたのだ。
「拓…」
俺はそう叫びかけるがその先を言う事は許されなかった。
「誰が喋っていいと言った。」
そう後ろから流加が俺の口を塞いできたからだ。
「お前らは神か何かかよ。」
俺はそう言ってやる。
「どうだろうな。それより、もう少しであいつらに会えるぞ。」
そう流加は俺に言う。
「本当か!?」
俺は敵だということは忘れて思わずそう聞く。
「あぁ。」
そう言い流加は薄気味悪い笑いを浮かべた。
だが、こんな会い方なら会わなかったほうがマシだった。
俺はそう後悔することになる。