ダーク・ファンタジー小説

公開処刑 ( No.103 )
日時: 2023/11/04 22:16
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「!あいつらじゃねぇのか!?」
コーラを溢された後を追ってきていた時、急に宗四郎が指を指しそう言った。
指差した先にはある特服を着た男たちが立っていた。
「「天使」…。やっぱり涼達の仕業か…。」
俺はそう言う。
コーラの後もここで途切れているので間違いないだろう。
天使の特服を着たそいつらはある一つの建物を囲むようにして立っていた。
「どうする?ゴリ押しで入り込むか?」
そう虎徹が俺に聞いてくる。
「いや、人数が多すぎる…。この人数じゃ恐らく勝機は無い。」
俺は虎徹にそうキッパリ言う。
「そのことなら問題ないぞ。」
そう横から陽汰が言った。
「何で…」
「拓海!」
俺の言葉を遮るように聞き覚えのある声がする。
「レオ!?綾也も…。」
そこにはいつもの関西連合二人組が立っていた。
「今日は偶然空いててな…。陽汰から連絡があったから龍心が拐われただって?」
そう綾也が言ってくる。
事情は全て知っているようだ。
「あぁ。だから今助けようとしてたとこなんだが…。」
俺はそう言い嫌そうに男たちの方を見る。
「なるほど。俺らがあいつらを殺ればいいんだな?」
そうレオが言ってくる。
「あぁ。頼む。」
そう俺が言うとさっそくレオと綾也が飛び出していく。
「誰だ!?って…関西連合の総長と副総長!?何でこんな所に…。」
男達はすぐに二人の正体がわかったらしい。
それに戸惑いを隠せない様子だった。
退け。カス共。」
そう綾也が言い一人を殴り飛ばす。
「お前はサンドバックだ!死ね死ね死ね死ね死ね!」
レオはそう一人の男を殴りまくっている。
「ヤベェ!逃げろ!」
そう一人が逃げ出すとまた一人、二人と逃げていく。
そうして男達は最終的には一人残らず消え失せてしまった。
「相変わらずヤベェな…。あの二人。」
そう淳平が横で言っている。
「一応関西トップの二人だからなぁ…。」
俺はそう言った。
綾也がこっちに向かって手招きしてくる。
「皆、入るぞ!」
そう俺は皆に言いレオと綾也を先頭に中に入り込む。
やはり中にも敵が待ち構えていた。
「こいつらは俺らが殺る。先に行け!」
レオに言われた通り俺達は校舎内を探し回る。
だが、どこにもいる様子は無い。
(クッソ…どこに…。)
俺がそう考えているとふと男達の会話が耳に入った。
「奴らを屋上に行かせるな!」
どこからかはわからないがそのような会話が聞こえた。
「皆聞こえるか!龍心は恐らく屋上にいる!」
俺はありったけの声でそう叫ぶ。
すると皆上へと続く階段へと足を伸ばす。
「屋上へは行かせねぇ!」
そう一人の男が立ちふさがる。
退いてくだせぇ。目障りなんでさぁ。」
そう宗樹が前に出てその男を殴り飛ばした。
その上にもまだ敵がいるのかと思えば来るのは下からばかりだ。
何か不自然さを感じながらも俺達は上に上がっていく。
「屋上への扉だ!」
そう荒の声が聞こえる。
俺達はその扉を押しくぐり屋上に出る。
そこには両手が縛られた龍心がいた。
「拓海!!それに皆も…。」
龍心もそう俺達に言ってきた。
「お〜。感動の再開かい?」
そうどこかで聞いたことのある声がする。
「てめぇ…涼!」
そう。その声の主は天使総長、長澤涼だった。
隣にはやはり予想通り流加がいた。
「お前らぶっ殺してやる。」
そう宗四郎が言い奴らに近づく。
「それ以上近づくな。」
そう涼は言う。
そして懐から何かを取り出した。
「それは…。」
そう。奴が取り出したのは刺身包丁だった。
「今からこいつ、永瀬龍心の公開処刑を始める!!」
そう叫んだ涼はスポットライトのように満月の光に照らされていた。