ダーク・ファンタジー小説
- 新しい仲間 ( No.106 )
- 日時: 2023/11/06 22:40
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「永瀬龍心の公開処刑を始める!!」
そう言い涼は手に持った刺身包丁を大きく振り上げる。
「待ってくれ!どうやったら止めてくれる!?」
そう俺は思わず言う。
そう言われた涼はニヤリと笑う。
「龍心!大丈夫か!?」
その時突然レオと綾也が扉を蹴り入ってくる。
「おぉ。関西連合も登場か。それなら…。」
そう涼は気持ちの悪いほど口角を上げた。
「悪英雄、並びに関西連合の解散だ。そして二度と暴走族と関わるな。」
「「「!!」」」
そこにいた全員が固まる。
「そんな内容が承諾できる訳がねぇだろ!」
そう宗四郎が叫ぶ。
「……そうすれば、本当に龍心を助けてくれるのか?」
そうレオが言う。
「おい!レオ何寝ぼけたこと…」
「いいんだ。綾也。他にも皆で一緒に楽しく暮らすとかあるだろ?」
そうレオが言う。
「それでいいだろ?拓海?」
そう急に俺に振ってくる。
「俺は…。」
俺は答えを出せない。
俺達だけならともかく、レオ達にも迷惑がかかってしまう。
「俺達ならいいんだ。」
そうレオは俺の心を読んだように言った。
龍心に向けられた刃が少し近づく。
「解散しま…」
「いや。しねぇよ。」
そう縛られた龍心が言う。
「お前何言って…」
「解散なんかしなくていいよ。さぁ、俺の首を跳ねてみろ。」
そう龍心が涼に言う。
「は…?お前死ぬんだぞ!?」
涼は予想外のことを言われ驚いている。
「ほら、斬ってみろ?」
そう龍心は余裕そうに言った。
そしてまだ言葉を続ける。
「その"なまくらの刃"で斬れるなら、な?」
今度は龍心が口角をつり上げる。
「何で…それを!!」
そう涼がキレたように言う。
「月の明かりに反射してなかったからな。本物だったら反射するはずだろ?」
そう龍心がニヤリと笑い、涼の握っている刺身包丁に手を掛け立ち上がる。
「死んどけ!」
そう横から流加の攻撃が飛んでくる。
龍心はそれをまともに食らったがビクともしない。
「お前がな。」
龍心はそう言い、流加に強烈なアッパーを繰り出す。
それをモロに食らった流加は一発で気絶した。
「さて…涼。」
そう龍心が涼に歩み寄る。
「ヒッ…!」
先程の龍心を見て腰が抜けて動けないようだ。
「お前はうちの組に入らねぇか?」
そう龍心は予想外のことを口にする。
「……は…?」
涼も理解が追いついていないようだ。
「おい龍心!そいつは華恋を誘拐してお前のこと拉致した奴だぞ!?」
俺はそう思わず声を上げる。
俺は涼が入るなんて絶対にごめんだ。
「確かにそうだが、こいつの狡猾さと金に関する能力は異常と言ってもいい程ある。」
そう龍心は俺に向かって言う。
「いいだろ?その代わり…。」
誰も許可を出していないのだが…。
そんな俺を無視して龍心が俺に言い涼に顔を近づける。
「裏切ったら殺す。」
そう低いトーンで言った。
ここまで脅されたら流石に裏切りはしないだろう。
「入るか?」
そう龍心は再確認する。
「俺なんかが入っていいなら…。」
そう涼が言う。
「だってよ。よかったな。」
そう龍心はニコニコ笑顔で言ってくる。
皆口をぽかんと開けていた。
綾也は呆れて笑っていた。
こうして、龍心の誘拐劇は迎えたと同時にある一人の男が仲間になった。
俺はまだ涼が仲間に加わることに抵抗があったが、新しい頼もしい仲間が増えたことに少し嬉しさを感じていた。