ダーク・ファンタジー小説

初陣 ( No.11 )
日時: 2023/02/23 00:15
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

ーーピーンポーンーー
「よぉ。」
朝早く、龍心が家に来た。
「そんなガチガチになるなよ。」
そう言い勝手にソファに腰を下ろす。
昨日はやはり寝つけなかった。そのため寝不足だ。
「時間とかはわかってんのか?」
龍心は目をこすりながらそう聞いてきた。
「わからねぇ。あの一文しか送られてきてねぇから。何人かもな…。」
「そうか」と龍心は頷いた。
「まぁ、時間ならだいたい見当はつくけどな。」
「マジか!?」
「あくまでも"予想"だがな」
「わかってる。」
変に焦らしてくるので急かす。
「一回皆を集めれるか?」
「わかった。」


「で、緊急で集まれって何事ですかぃ?」
龍心に言われた通り皆を呼んだ。
「ちょっと聞いてほしいことがあってな。」
龍心はそう言った。
「決戦は今日の22時だ。その時に必要な役割がある。」
「役割?」
宗四郎が首を傾げる。
「それは‥‥‥。」
その一言を聞き場が静まり返る。
「……。わかった。その役割、俺が受ける。」
その中で一人蓮が口を開いた。
「本当にいいんだな?」
龍心が聞いた。
「大丈夫だ。」
その蓮は胸を張って言った。
「皆それでいいか?」
皆黙ったまま頷いた。
「じゃあ22時に淀川橋下で。解散!」
そう言うと皆出ていった。
龍心も靴を履き出ていこうとする。
「ちょっとまってくれ。」
「ん?」
出ようとした龍心を呼び止めた。
「堀川軍ってやつ、何で俺の連絡先わかったんだ?」
ずっと気になっていた。
なぜ俺の連絡先を知っていたのだろうか。
「そんなもん知らねぇよ。」
そう言い龍心は出て行ってしまった。
俺は決戦に向けて腹をくくった。

「揃ったな。」
龍心がそう言うと龍心、俺、蓮という順番に並び直した。
「来たか!」
少し先には堀川軍の総長らしき人物がいる。
左右に二人の隊員がいるだけだ。
「行くぞ!」
龍心がそう叫ぶとそのまま列を乱さないように一目散に駆けてく。
「おらあぁ!」
後ろから何人かの声が聞こえる。
あのときと同じように鉄の棒を持っていた。
一番後ろにいた蓮が殴られそうになる。
総長らしき人物は勝ち誇ったように笑った。
「はっ!」
鉄の棒を持った男たちがこっちに殴り飛ばされてくる。」
「間に合ったか!」
そう宗四郎が言った。
龍心の考えた作戦とは相手が後ろから襲ってくることを想定して、こちらもその後ろから襲うという作戦であった。
蓮はその囮役になったのである。
結果、ギリギリで助かったが、一秒でも遅かったら殴られていたかもしれない。
そんな役を進んでしたのだ。
そこはすごいと思う。
「まだだ!やっちまえ!」
そう言うと左右二人の隊員が鉄バットを取り出し龍心に殴りかかる。
龍心はそれを軽々避け二人一気に蹴り倒した。
「武器使って負けるとかダセェ。」
そう言い唾を吐き捨てる。
「後はお前だけだな。」
龍心がそう総長らしきやつに言う。
「誰に言われた?」
「お、扇會おうぎかい…。」
かなり怯えているようだ。声がガクガクである。
「扇會?」
聞き馴染みのない名前だ。
「なんなんだ?それ。」
そう言い問い詰める。
「な、長澤達のチームの名前…。」
やはり、裏には涼がいた。
「もういい。だが、次にやったら…わかるな?」
「は、はい…!」
そう怯えた様子で言った。
「やっぱり拓海は甘ちゃんですねぇ?」
宗樹がそう言ってきた。
「うるせぇ。」
そう言い、俺たちは初めての抗争に勝利した。