ダーク・ファンタジー小説

受付 ( No.111 )
日時: 2023/12/11 22:37
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

龍心が利用した掲示板作戦。
そんな上手くいくことはないと思っていたがその予想は大きく外れる。
何と一夜の間に200人程からコメントが来たらしい。
「おいおい…マジかよ。」
「ここまで上手くいくと逆に怖いな。」
そう淳平と荒が言う。
「けどよ、こん中に裏切ろうとしてる奴とかやる気ない奴もいるかもしれねぇってことだろ?」
宗四郎が龍心に尋ねる。
「いや。それには関しては大丈夫だ。」
龍心がそう言う。
そういう系統の話は細かい説明のところでしておいたらしい。
「てことで、裏切ったりやる気のないやつは来ないってこと。」
そう龍心が言う。
龍心って案外適当なとこあるよな。
俺はそう思う。
「で、どこに来んだよ?」
そう宗四郎が聞く。
「確かに。200人が集まれる場所なんてなかなかねぇぞ?」
俺もそう付け足す。
第一、200人全員来るという保証もない。
「それに関しては問題ねぇょ。レオから倉庫借りてる。」
そう龍心は言った。
「お前はどれだけ用意周到なんだよ…。」
「もっと褒めろ。」
俺がそう言うと龍心はそう言い返してきた。
最近龍心もぶっ壊れてきたような気がする。
「ん?てかいつ来るんだ?」
そう淳平が不思議そうに聞く。
「えーとな。10:00くらいだな。」
そう龍心がマイペースな口調で言う。
今は9:50だから…。
「残り十分だぞ!?」
そう俺は思わず声を上げた。
「そうだけど?」
龍心は相変わらず急いでいる様子はない。
「え?ヤバくね?」
そう陽汰も言う。
「とにかく急ぐぞ!!」
俺はそう全員に言う。
すると皆急いで倉庫の方に走り出したのだった。
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「はぁ…はぁ…。」
俺は肩で息をする。
「龍心のせいでひどい目あったぜ…。」
そう荒がほざいた。
「っるせぇ…。俺もヘトヘトなんだよ…。」
そう龍心本人も息がかなり荒れていた。
「まだまだだなぁ〜。」
そう宗四郎が言う。
後ろで淳平も縦に首を振っていた。
この二人はサッカー部なため体力もそうとうある。
「宗四郎はともかく、淳平みたいなもやしのどこに体力があるのか…。」
そう宗樹がボヤいている。
「そんなことはどうでもいいだろ。開けるぞ。」
そう蓮が言いシャッターを上げる。
すると門前には大量に人が集まっていた。
「マジかよ…」
宗四郎はそう言い呆気にとられている。
「これは200人上回ってるだろ…。」
300人、いやそんなものではなかった。
本当にアリの群れのように群がっていた。
「全員一列に並んで!名前聞いてくぞ!」
そう龍心が出せる限りの声を出す。
ちなみに今回の受付の仕方は龍心がいる机に並ばせ、名前を言わせていくという方法だった。
指示がどうしても全員には通りきらないので、そこは俺達でフォローする。
そして何とか龍心がいる机までの列ができた。
だが、動くにつれてやはりどうしても列は崩れてしまう。
「どんどん前に詰めてけ!」
「はみ出すな!前に合わせろ!」
そう俺らは指示を出すが人数が全然足りない。
そこで助っ人を呼ぶことにする。
「どうしたんだよ。」
「こいつらを並べればいいんだな?」
そう、俺達が呼んだ助っ人とは虎徹、涼、流加、颯太の四人だった。
「終わったやつから奥にいけ!」
「名前ぱっぱと言って!」
たかが四人。されど四人。
かなり楽になった。
そうこうして2時間程。
「終わったぁ。」
「疲れた…。」
ようやく全員の受付が完了したのだ。
それぞれその場に倒れ込んでいる。
龍心に関しては無言で机に突っ伏していた。
龍心が書いていた名簿を見てみると500人丁度の名前が記されていた。
「これでうちのチームも500人超え…。ようやく互角に戦えるようになるな。」
俺はそう独り言を言う。
「それならちゃんとした地位も決めねぇとな!」
そう宗四郎が急に立ち上がる。
「それはまた今度にしてくれ……。」
そう龍心が消え入りそうな声で言った。