ダーク・ファンタジー小説

構成発表 ( No.113 )
日時: 2024/05/16 22:55
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「寝れねぇ…。」
俺はそうヘッドの上で呟く。
明日の発表に緊張して寝れないのだ。
「まぁ、羊でも数えてたら寝れるか…。」
俺はそう思い羊を数え始める。
(羊が1匹、羊が2匹…)
そしてそれからどのくらい経っただろう。
(羊が8946匹…マジで寝れねぇ!)
もうついに羊が四桁に突入してしまった。
時計を見てみるともう4:30。
ここから寝ても集合が6:00なため寝れたとしても一時間程度しか寝れない。
(もう起きとくか。)
そう思い俺は体を起こす。
そして立ち上がり洗濯物を取り込み始める。
同時にたたむのも同時に終わらせ、部屋に掃除機をかける。
これは俺だけでなく親がいない組は全員やっていることだ。
"一人"を除いて。
宗樹。あいつは全く持って家事をやらない。
この前家に行ったときは足の踏み場もないくらい洗濯物が散らかっていた。
そんなことを考えながら一通り家事を終わらせた俺は軽く朝食をとる。
食パンにジャムを塗っただけの物だが。
そして気づけばもう4:30。
「ちょっと早えけど。向かうか。」
俺は家を出て集合場所に向かう。
今回発表する場所はそう、北天満小学校だ。
今は使われていない廃校で使われるとしても地域の行事だけだ。
また倉庫で行おうとしたが、綾也に
「あんな大人数、うちの倉庫じゃ入り切らねぇよ。」
と言われ別の場所にしようということで北天満小学校にしたのだ。
一応元学校だったということだけもあってまぁまぁデカいし。
そうこうしているうちに着いてしまった。
「ここだっけな…。」
昔宗樹達と入った裏門を探す。
「あったあった。」
見つけてしまえばもうこちらのもの。
簡単に入れてしまうのだ。
「おぉ。来たか。」
中に入ると龍心と宗四郎が出迎えてくれた。
「お前ら早すぎだろ。まだ5:00だぞ。」
そう俺は二人に言う。
「俺だって時間ギリギリに来るつもりだったのに…。」
そう龍心が言う。
「は!俺が3:00に家まで言ってピンポン鳴らし続けてやったぜ!」
「自慢げに言うことじゃねぇよ。」
そうなぜかドヤ顔しながら言ってくる宗四郎に思わずツッコむ。
「とは言えもうそろそろ皆来るだろ。」
そう龍心が言う。
噂をすればなんとやらだ。
「おーす。」
そう淳平と蓮、荒の家近い組が裏門から入ってくる。
そしてそのすぐ後に虎徹、涼、流加、颯太の四人が来て大体の面子は揃った。
「まだ来てねぇのは電子機器組と遅刻常習犯組か。」
そう蓮が言う。
電子機器組は一華と佑樹、遅刻常習犯組は宗樹と陽汰のことだ。
「ごめーん!遅れた!」
それから少し経ち一華と佑樹が合流する。
「遅れましたぁ。」
そしてそれとほぼ同時に宗樹&陽汰コンビが合流した。
「ようやく全員揃ったか。」
淳平がそう言う。
今の時間はちょうど6:00。
隊員達が来るのが6:15だからあと15分しか猶予はない。
「急いで準備するぞ!」
俺はそう全員に言う。
すると一斉に皆が動き出し、自分の役割を果たす。
遅刻常習犯組は立ったまま寝ていたが。
どんだけ眠いんだよ。こいつらは。
「拓海ー。」
一華がそう言い駆け寄って来る。
「これ、一応台本。」
そう言い冊子を渡してきた。
「お、ありがとう。」
俺は中身を確認してみる。
一応昨日全部覚えたが、作ってくれたのに見ないのは申し訳ないので軽く目を通すくらいはしておく。
「残り5分だぞ〜。」
そう龍心が言う。
「もうやること終わったし、いいんじゃね?」
そう淳平が提案する。
裏門の近くにはかなりの人が集まってきていた。
「いいか?拓海。」
俺はそう龍心に聞かれ咄嗟に
「いいよ。」
と言ってしまった。
(やべぇ。まだ心の準備が…。)
「門開けるぞ〜。」
陽汰がそう言い裏門を開ける。
するとバーゲンセールのように人が流れ込んできた。
「こっちに入れよ〜。」
陽汰がそう皆を講堂に誘導していく。
「拓海は先行っとけ。」
そう龍心に言われるがままに講堂のひな壇の上に乗らされる。
(う…。思ってたより緊張するな…。)
俺は軽く深呼吸をして息を整える。
誘導が終わり開放された陽汰達はひな壇の下で皆と一緒にこちらを見上げていた。
(うげぇ…俺一人かよ。)
俺はそう思いながらも発表を開始する。
「今から隊の種類、所属隊を発表する。名前が呼ばれた奴は前に出てこい。」
俺がそう言うとザワザワしていたのが一瞬で静かになる。
「まず総長は俺、前田拓海がやらせてもらう。そして戦闘での戦略を立てる参謀総長。これは永瀬龍心に務めてもらい、いざというときの俺の代理、副総長は植谷陽汰に務めてもらうことにした。」
そう俺が言うと龍心と陽汰は前に出てくる。
「ここからはちょっと早めに言っていくぞ。 特別攻撃隊隊長、中嶋宗樹。」
宗樹名前を呼ばれるとのっそのっそと歩いてくる。
「攻撃隊は四つに分ける。青龍隊隊長、菊下颯太。白虎隊隊長、渡辺宗四郎。玄武隊隊長、田口虎徹。朱雀隊隊長、槌井蓮だ。」
ちなみに攻撃隊の名前の由来は四神からだ。
奇兵隊きへいたい隊長、浅田淳平。親衛隊隊長、福田荒。財務隊隊長、長澤涼。副隊長、谷山流加。情報隊隊長、泉佑樹。副隊長、羽宮一華。これで全員だ。」
俺はそう言う。
「あとの細かい所属チームは佑樹、一華に聞いてくれ。」
そう俺は丸投げする。
二人の方を見てみるとすごい眼力で睨んできていた。
だが、それに反応するほどの体力は残っていない。
俺は舞台から降り、そのまま眠りについたのだった。